シェル、BPの買収検討 – 石油業界での大規模再編の可能性

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2025年5月3日、英シェルが同業の英BPの買収の可能性を検討していることが、米ブルームバーグ通信の報道で明らかになりました。現在、検討は初期段階にあり、BPの株価が低迷している中で、この数週間で議論が始まったとされています。BPの時価総額は558億ポンド(約10兆7000億円)で、もし買収が実現すれば石油業界で最大規模の買収となります。

ブルームバーグによると、シェルは買収の実現可能性や相乗効果についてアドバイザーと議論を進めており、BPの株価が買収の焦点となっています。最近の米政権の関税政策を受けた景気減速懸念から原油価格が下落し、BPの株価が低迷している状況です。

一方、英フィナンシャル・タイムズ(FT)は、シェルのワエル・サワン最高経営責任者(CEO)が「BPの買収よりも自社株買いを優先する」との発言を報じています。これにより、シェルがBPの買収に本腰を入れるかどうかは不透明な状況です。

BPは2020年に脱炭素戦略を打ち出し、石油メジャーの中でも再生可能エネルギーに注力してきましたが、競合他社と比べて収益が上がっていないのが現状です。特に、2022年にロシア事業から撤退したことが経営を悪化させました。さらに、2月には方針転換を行い、再生可能エネルギーへの投資額を年50億ドル(約7200億円)から年8億ドルに絞り、石油・ガスの生産量を増やす中期計画を発表しました。

米エクソンモービルやシェルは、直近5年間で株価を倍以上伸ばしているのに対し、BPはわずか2割の増加にとどまっています。また、BP株式を保有するアクティビスト(物言う株主)である米ヘッジファンド、エリオット・インベストメント・マネジメントからも圧力を受けている状況です。

シェルとBPは、1970年代には世界の石油業界を支配していた「セブンシスターズ」と呼ばれる欧米7社のうちの2社です。その後、業界の再編が進み、2000年代からは欧米の石油メジャー5社が業界をリードする形が続いています。今回の買収検討が、石油業界にどのような影響を与えるのか、今後の動向が注目されます。

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