住友化学は2日、韓国サムスン電機(Samsung Electro-Mechanics)と次世代の半導体パッケージ基板「ガラスコア基板」事業で合弁会社を設立すると発表しました。人工知能(AI)半導体向けの需要拡大を見据え、次世代基板の量産体制を整える狙いです。
合弁会社の概要
合弁会社にはサムスン電機が66%、住友化学の完全子会社で半導体やディスプレー材料を手がける韓国の東友ファインケム(Dongwoo Fine-Chem)が34%出資します。資本金は4,821億ウォン(約500億円)で、2026年中の設立を予定しています。
サムスン電機が筆頭株主として過半数の株式を保有し、住友化学グループが少数株主として参画する形となります。合弁会社の本社は東友ファインケムの平澤(ピョンテク)事業所(京畿道)に設置され、ガラスコアの初期生産拠点としても機能する計画です。
量産スケジュール
2027年度下期を目標に量産体制を整え、その後も段階的に能力を増強する方針です。東友ファインケムが持つ既存設備なども活用します。
なお、サムスン電機は現在、韓国・世宗工場のパイロットラインでガラスパッケージ基板の試作品を生産しており、合弁会社による本格的な量産開始は2027年以降を予定しています。
ガラスコア基板の技術的特徴
ガラスコア基板は、従来の樹脂製のパッケージ基板を代替する材料として開発が進められています。ガラスは樹脂と比べて割れやすく加工は難しいものの、以下の強みを持ちます:
- 反りにくさ:熱膨張係数が低く、半導体チップとの熱膨張差が小さい
- 平坦性・平滑性:高密度配線の形成に適している
- 剛性・熱安定性:大型化や高密度化が進むパッケージ基板に適した材料とされる
AIや高性能コンピューティング(HPC)の急速な普及により、従来の有機基板は物理的限界に直面しており、ガラスコア基板への注目が集まっています。
3社の役割とシナジー
今回の協業では、3社がそれぞれの技術力とグローバルネットワークを結集します:
- 東友ファインケム:タッチセンサーなど薄膜ガラスを使った製品で培った製造ノウハウを提供
- サムスン電機:基板設計や製造技術を提供
- 住友化学:半導体材料としてフォトレジスト(感光材)や高純度薬液などを手がけており、次世代技術のガラスコア基板に事業を広げ、半導体を組み立てる後工程分野を強化
サムスン電機のチャン・ドクヒョン社長は「今回の協約は3社が持つ最先端の力量を結合させ、次世代半導体パッケージ市場の新たな成長の軸を備える契機となる」と強調しています。住友化学の岩田圭一会長は「サムスン電機の協力を通して、当社としては先端半導体の後工程分野における大きなシナジーを生み出すと期待している」と述べています。
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