超党派の「社会保障国民会議」の実務者会議が20日、国会内で開かれ、給付付き税額控除について政府側が当面は給付に一本化して実施する制度設計の方向性を示した。
給付一本化の理由
給付付き税額控除は本来、所得税額などを減税する「控除」と、控除で引き切れない分を「給付」する二つの仕組みを組み合わせた制度だが、控除の仕組みを使わずに減税相当額を給付しても対象者の恩恵は同じになる。このため政府は、事務作業を効率化する観点から、当面は給付に一本化する方向を示した。システム構築に時間を要すると想定されることから、早期導入を優先する判断とみられる。
対象者と支援の仕組み
これまでの議論では、働く中・低所得の現役世代の負担軽減を目的に、個人を対象に支援する方向で一致している。一定の勤労収入と一定の社会保険料負担がある人が対象となる方針だ。就労を促進するため、支援額は収入に応じて増やし、一定の年収からは減らす仕組みも示された。
政府は、世帯年収375万円の共働き夫婦(子供2人)では、米独仏3カ国の平均に比べて27万円も税や社会保険料の負担が重い試算を示しており、この格差を是正する狙いがある。
各党の反応
議長を務める自民党の小野寺五典税制調査会長は「具体的な制度の内容についてもおおむね認識がそろってきた」と述べ、合意形成が進んでいることを示した。一方、国民民主党の古川元久代表代行は「意見の一致段階ではない。論点はたくさんある」とくぎを刺し、認識の違いを強調した。
日本維新の会は子育て世代への重点支援を主張し、中道改革連合は給付されない低所得者が極力出ないよう注文を付けている。公明党の里見隆治社会保障制度調査会長は、自営業者や年金生活者を含めて「全体に目を配るべきだ」と主張している。
今後のスケジュール
6月に中間取りまとめを行う予定だが、支援額や対象者の範囲、自治体の事務負担など論点は多岐にわたり、「夏前にまとめるのは無理ではないか」との声も上がっている。

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