2025年8月20日の米株式市場では、ハイテク株中心のナスダック総合株価指数が続落し、前日比142ポイント(0.7%)安の21,172で取引を終えました。これにより、2日間での下げ率は2%に達し、ナスダックの2日間ベースの下げ率は約3週間ぶりの大きさとなりました。
AI関連株への過剰投資の懸念
市場では、これまで株式相場の上昇をけん引してきた人工知能(AI)関連への投資が過剰であるとの見方が浮上しています。UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのウルリケ・ホフマン・ブルハルディ氏は、「AI関連セクターに対する持続可能性への懸念が再燃している」と指摘しています。特に、米マサチューセッツ工科大学(MIT)が発表した調査によると、「95%の組織が生成AIへの投資からリターンを得ることができていない」との結果が報告され、これが市場の警戒感を高める一因となっています。
個別銘柄の動向
ナスダックの下げをけん引したのは、巨大テック企業や半導体銘柄です。米インテルは7%の下落を記録し、米半導体メモリー大手のマイクロン・テクノロジーが4%、英半導体設計のアーム・ホールディングスと米アップルがそれぞれ2%下げました。
市場の見通し
市場関係者の中には、AIセクターの長期的な成長と回復力には引き続き自信を持っているとの声もあります。ミラー・タバックのマシュー・マリー氏は、「テック株安は一時的な微調整に過ぎない可能性が高い」と述べ、さらなる下落の継続を確認する必要があると指摘しています。
今後、27日に予定されている米半導体大手エヌビディアの決算発表が、相場をけん引してきた半導体銘柄の先行きを占う試金石として注目されています。これまで好決算やAIブームを追い風に、主力テック銘柄に資金が集中していたため、今後の動向が市場に与える影響は大きいと考えられます。

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