巨大ソフトウエア会社オラクルが9日に発表した2025年6-8月期の決算は、投資家に衝撃を与えました。残存履行義務(RPO)――まだ認識されていない契約済み売上高――は、3カ月前の3倍超に当たる4550億ドル(約67兆円)に達しました。この急増は、オープンAIなどの主要な人工知能(AI)開発企業からのAIコンピューティング需要によって加速しています。
オラクルは、今後数年間について大胆な予測を立てており、クラウドインフラ部門の売上高が2029事業年度に1140億ドルに達すると見込んでいます。今年5月までの年度では100億ドル強だったため、この予想は同社の成長可能性を強く示唆しています。
AI需要がもたらす契約済み売上高の急増
オラクルの契約済み売上高の急増は、AI向け半導体大手エヌビディアを彷彿とさせます。エヌビディアは、ビデオゲーム用半導体のニッチな供給業者から、時価総額が4兆ドルを超える企業へと急速に変貌を遂げました。オラクルの株価は、発表後にさらに40%上昇し、時価総額が9500億ドル前後に達しました。この株価の上昇は、1990年代以来の大きさとされています。
オラクルの強気な業績見通し
オラクルのラリー・エリソン会長は、同社がAIブームの持続性に自信を持っていることを示しています。オラクルは、データの整理・アクセス・保管を支援するソフトウエアを企業向けに販売し、データベース分野の中心的企業としての地位を長く維持しています。強気の業績見通しは、AIブームの持続性に関する同社の自信を反映しています。
競争環境とオラクルの優位性
オラクルは、アマゾン、マイクロソフト、グーグルなどの競合企業と競争していますが、同社には独自の強みがあります。ノバスコシア銀行のアナリストは、オラクルが「最高峰の技術的専門性、資本へのアクセス、エヌビディアからの強力な支援、そして会社の独立性により、AIの訓練と推論に対する需要の爆発的急増を取り込むのに有利な立場にある」と指摘しています。
結論
オラクルの決算発表は、AI需要の急増を背景にした強気の見通しを示しており、今後の成長が期待されています。特に、クラウドインフラ事業は2026年度に売上高が18億ドルに達する見込みで、契約残高は前年同期比で359%増の4550億ドルに達しました。この成長はAI関連の契約増加によるもので、CEOのサフラ・キャッツ氏は今後も大口顧客との契約を見込んでいます。
オラクルの株価は決算発表後に約36%上昇し、1992年以来の大きな上昇率を記録しました。この急騰は、投資家が同社の成長見通しに強い期待を寄せていることを示しています。今後、オラクルがAI関連の契約をどのように活用し、持続可能な成長を実現するかが注目されます。
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