埼玉県川口市で、2026年2月1日投開票の市長選挙を前に、トルコ出身の帰化日本人であるバシャラ・セルダルアティラ氏が立候補を検討していることが報じられ、注目が高まっている。
バシャラ氏は、自動車メーカーであるHonda や、エネルギー関連企業NTTアノードエナジー での勤務経験を持ち、民間で培った実務経験を市政に活かす人物として紹介されている。
彼の主な公約は次の二つ：
- 市営交通にある「内部留保177億円」を使い、運賃の値下げや市民の負担軽減を図ること。
- 行政交番の設置を通じた治安の強化。外国人住民の増加や過去の地域トラブルを念頭に、安全な街づくりを訴えている。
SNS上での反応・懸念
しかし、SNS（特に X／旧Twitter）では、バシャラ氏の出馬について多くの否定的な声があふれており、激しい拒絶感を示す投稿も目立ち、次のような反応が見られるという。
「帰化しても日本人じゃない」「政治に入るな」
こうした言葉が「川口を守れ」「外国人には政治を任せられない」といった思いを背景に、強い批判として表れており、“帰化人を市長にすると街の治安や文化が変わるのでは”という不安から発信されているという。
また、ある論評では、外国人の増加による行政負担、多文化共生への対応の“限界”を理由に、これ以上の変化を受け入れきれないとの声も紹介されている。特に、「行政の多言語対応や教育・医療体制のひっ迫」が、地域住民の間で「もう限界だ」と感じられているという。
こうしたSNS上の反応は、単なる意見の相違にとどまらず、「排外」「拒絶」のトーンを伴うものも多い。
背景と懸念――多文化共生と地域の分断
こうした反応の背景には、過去にクルド人 コミュニティと地域住民との間で、騒音・ゴミ捨て・交通トラブルなどの摩擦が起きた地域があるとされる。報道では、該当する外国人住民の過ちを理由に、「外国人全体」が批判・排除の対象になりやすい構造が指摘されてきた。
実際、SNSでの書き込みの中には、根拠が不明確な「外国人＝トラブル」という偏見に基づいた主張も多く見られ、それが差別や排外感情を助長しているとの批判もある。
このような状況は、ただ単に一候補者に対する是非を超えて、地域の「多文化共生」や「多様性」と「治安・安全」への住民の不安、そして「地域の分断」という深いテーマを浮き彫りにしている。
 |  |