日本生命保険の社員が、出向先の三菱UFJ銀行から内部資料を無断で持ち出していた問題が明らかになりました。この件について、日本生命は2025年8月18日に社内調査の結果を金融庁に報告する予定です。調査の焦点は、組織的な関与や同様の事案の有無にあります。
問題の経緯
出向者は2024年3月から4月にかけて、三菱UFJ銀行の内部資料を入手し、無断で持ち出しました。この資料には、銀行窓口での保険販売に関する重要な情報が含まれており、営業活動に利用されていたとされています。日本生命は、出向者による情報漏洩が相次いでいることを受けて、大手銀行が生命保険・損害保険会社からの出向者の受け入れを廃止する動きに出ていることを報告しています。
社内調査と金融庁への報告
日本生命は、社内調査を開始した直後に関連データが削除された可能性があることを認めています。この行為は、証拠を隠そうとしたものと見なされており、金融庁は日本生命に対して報告徴求命令を出しています。日本生命は、調査結果をもとに再発防止策を策定する意向を示しています。
業界への影響
この問題は、保険業界全体に対する信頼性を揺るがすものであり、特に出向者の情報取り扱いに関する規制が強化される可能性があります。みずほ銀行などの大手銀行は、保険会社からの出向者の受け入れを廃止する方向で検討しており、業界全体での情報管理の見直しが求められています。
このように、日本生命の内部情報漏洩問題は、金融業界における情報管理の重要性を再認識させる出来事となっています。今後の調査結果や再発防止策の実施が注目されます。

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