経営再建中の日産自動車は24日、横浜市の本社で定時株主総会を開催しました。イバン・エスピノーサ社長は冒頭で業績不振について「ご心配をおかけし、おわび申し上げる」と謝罪しました。
日産は2025年3月期の連結最終損益で、過去3番目に大きい6708億円の赤字を計上しました。総会では、2027年度までに世界で完成車7工場を閉鎖し、従業員約2万人を削減する経営再建計画について説明がありましたが、具体的な工場の詳細は明らかにされませんでした。
また、2025年4~6月期については、トランプ米政権による関税政策の影響を考慮し、連結営業損益が2000億円の赤字(前年同期は9億円の黒字)になるとの見通しが示されました。
総会では、4月1日付で社長に就任したエスピノーサ氏を含む取締役12人の選任など、会社提案の2議案が可決されました。しかし、3月末に退任した内田誠前社長ら執行役4人に計6億4600万円の退任報酬が支払われたことや、社外取締役8人の再任に対して株主から批判が相次ぎました。取締役報酬の見直しや、上場子会社「日産車体」の完全子会社化を求める株主提案5議案は否決されました。
出席株主数は1071人(前年は625人)、所要時間は3時間6分(前年は1時間47分)と、いずれも大幅に増加しました。また、23日に開示された有価証券報告書によると、内田氏の2025年3月期の報酬は前期比4割減の3億9000万円で、そのうち退任に伴う報酬は1億7500万円でした。

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