米国上院は2026年6月22日、連邦準備制度理事会(FRB)による中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を2030年末まで禁止する条項を含む住宅価格適正化法案「21世紀住宅への道法(21st Century ROAD to Housing Act)」を可決しました。採決は賛成85票、反対5票と圧倒的多数で成立しています。
この法案は、ティム・スコット上院銀行委員長やエリザベス・ウォーレン同委員会筆頭理事ら超党派の議員グループが主導したもので、主目的は住宅価格の適正化にあり、機関投資家による既存の一戸建て住宅の賃貸目的での買い占めを禁止する内容です。しかし、共和党が強く求めてきたCBDC禁止条項が追加され、FRB理事会および各地区連邦準備銀行がCBDCまたはそれに準じるデジタル資産を直接・間接的に発行することを禁じています。
禁止措置は2030年12月31日までの約4年間の時限措置であり、同日をもって失効する設計です。ただし、金融機関のみが利用できるホールセール型CBDCなどには適用除外(カーブアウト)が設けられており、完全に禁止されるわけではありません。
共和党は従来から、CBDCが政府による金融監視の拡大やプライバシー侵害につながるとして強い反対姿勢を示してきました。トランプ大統領は2025年1月、CBDCが「金融システムの安定性、個人のプライバシー、米国の主権を脅かす」として連邦機関によるCBDC導入の取り組みを禁じる大統領令に署名しています。
法案は上下両院の関連委員会指導部の間で既に合意が形成されており、上院通過を受けて今後下院での審議に移ります。下院でも可決され、トランプ大統領が署名すれば、FRBによるCBDC発行は正式に禁止される運びです。
一方、欧州中央銀行(ECB)はデジタルユーロの開発を進めており、2027年に試験運用を開始し、2029年の正式導入を予定しています。中国では、中国人民銀行が発行するデジタル人民元の実証実験が行われており、米国のCBDC制限姿勢が国際的なデジタル通貨競争の分断を深める可能性が指摘されています。
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