暗号資産XRPの最近の上昇と韓国市場の影響

最近、暗号資産（仮想通貨）XRPの価格が急上昇しており、その背景には韓国のトレーダーの動きがあると指摘されています。オンチェーンアナリストのDom氏は、XRPが2.6ドルから3.0ドルに上昇した際、現物市場で合計4,500万XRPの買い圧力が発生したと分析しています。

韓国の取引所Upbitの影響

この買い圧力の70%が韓国の大手仮想通貨取引所Upbitで発生していたことが明らかになりました。その他の主要取引所では、Coinbaseが11%、Krakenが9%、Bitstampが6%となっています。Upbitでの取引には一般投資家だけでなく、機関投資家やアルゴリズム取引の影響も含まれている可能性があります。

バイナンスの取引量と韓国市場の主導性

Dom氏によると、最大手仮想通貨取引所バイナンスでもXRPの純取引量はマイナスとなっており、今回の上昇が韓国市場によって主導されていることが浮き彫りになっています。CoinGeckoのデータによると、XRPはUpbitの過去24時間取引高でビットコインや他の主要アルトコインを引き離して1位にランクインし、約4.7億ドル（約690億円）に達しています。

韓国市場の特異性と投資家の傾向

韓国市場は、過去の相場サイクルでもXRPの需要が特に高い地域として知られています。2023年8月には、韓国の取引所ビッサムのデータ分析により、特に20代の投資家がXRPを好んでいることが指摘されました。20代の投資家は、ビットコインやイーサリアムよりもボラティリティの大きいアルトコインに魅力を感じており、仮想通貨ポートフォリオの20.7%をXRPに割り当てています。

韓国の仮想通貨市場の現状

韓国では仮想通貨取引が盛んであり、2024年第1四半期には中央集権型取引所における韓国ウォン建て取引量が米ドルを上回ったこともあります。韓国金融委員会の報告によると、2023年末時点で韓国の仮想通貨投資家は645万人に達しており、その半数以上が30～40代の世代です。

課税問題と今後の展望

韓国では仮想通貨のキャピタルゲインに対する課税が再三延期されており、2021年からの20%の課税が業界関係者の反発を受けて数回延期されています。2024年12月1日の記者会見で、野党の韓国民主党は政府と与党との間で2027年までの猶予期間延長で合意したと発表しました。

新大統領のイ・ジェミョン氏は、選挙戦中にステーブルコインや仮想通貨を積極的に進めることを公約として掲げており、今後の韓国市場の動向に注目が集まります。