コクヨが発売した「大人のやる気ペン」が話題になっています。この製品は、2019年7月に発売された子ども向けの「しゅくだいやる気ペン」（同7599円）の成功を受けて開発されました。2024年2月時点で、累計販売台数は5万台を突破しています。
学習のモチベーションを高める仕組み
「大人のやる気ペン」は、ペンに取り付けて学習することで、専用アプリで学習量を可視化します。継続的に使用することで、叱咤激励のメッセージが届いたり、すごろくを進めながらアバターの着せ替えができたり、同製品を使う仲間の存在を感じることができます。これらの仕組みを通じて、日々の学習のモチベーションを高めることが目的です。
先行発売の成功と一般発売
2025年1月に応援購入サービス「Makuake（マクアケ）」で先行発売された結果、3600人以上が購入し、総額は約3500万円に達しました。2025年5月には一般発売が開始され、「文房具総選挙2025」では大賞を受賞しました。
大人が子ども向け製品を使用する背景
コクヨが「大人のやる気ペン」の開発に着手したのは、「しゅくだいやる気ペン」を発売してから約3年後のことです。SNSやWeb上のレビューで「大人がしゅくだいやる気ペンを使っている」というコメントが増えてきたため、実際に利用者に聞いてみることにしました。
インタビューの結果、利用者の数％が大人であり、そのうち約7割が資格勉強や自己学習に使用していることがわかりました。特に、難易度の高い資格試験に挑戦する人が多く、「どうしても最初の10分ができない」「以前、資格勉強に挫折した」といった悩みを抱えていることが明らかになりました。
深く刺さる商品開発の重要性
中井信彦氏は、「商品開発において最も大事なのは、深く刺さる人がいるかどうか」と述べています。ターゲットが広いかどうかも重要ですが、人を幸せにすることにフォーカスした時には、「とにかく深く刺さっている」ことが価値になると強調しました。
市場ニーズの調査結果
コクヨが実施した1万人規模のアンケート調査によると、大人の26％が資格勉強に取り組んでいるものの、そのうち71％が途中で挫折していることがわかりました。このような背景から、「資格試験の勉強に切実に取り組む層」をターゲットにした「大人のやる気ペン」の開発が進められました。
コクヨの「大人のやる気ペン」は、学習のモチベーションを高めるための新しいアプローチとして、多くの大人に支持されています。
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