2025年7月22日、公正取引委員会は、クレジットカードの世界最大手であるビザのシンガポール法人に対し、独占禁止法違反の疑いで改善計画を認定しました。この問題は、ビザが日本のカード会社に対して、自社の信用情報照会システムを選ぶように不当に拘束していたことに起因しています。
事案の背景
ビザ・ワールドワイドは、2018年以降、日本の金融機関に対し、自社の信用情報照会システムを利用しなければ、一部の業種で手数料が引き上がると通知していました。この行為は、他の取引処理ネットワーク提供事業者を排除する恐れがあるとして、公正取引委員会によって独占禁止法第19条に基づく不公正な取引方法に該当する疑いが持たれました。
改善計画の内容
ビザは、再発防止策を含む確約計画を公正取引委員会に提出し、これが認定されました。計画には以下の措置が盛り込まれています:
- 優遇レートの適用条件の維持: 他社のシステムを利用しても、一定の日数以内に売上データを送信すれば優遇レートが適用されるようにする。
- 履行の監視: 計画の履行について、弁護士などの第三者による監視と報告を行う。
この計画は5年間実施されることが決定されており、ビザは「強力なコンプライアンス体制を維持していく」とコメントしています。
業界への影響
公正取引委員会は、今回の措置が業界に対して競争意識を高める契機になると期待しています。ビザは国内のクレジットカード市場でシェア1位を占めており、今回の改善計画により、他の事業者との競争が促進され、手数料の引き下げにつながる可能性があります。
このように、ビザ・ワールドワイドの行動は、クレジットカード業界における競争環境に大きな影響を与えることが予想されます。
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