メッセージアプリ「テレグラム」のパーヴェル・ドゥロフCEOは7月21日、この夏に独自のセルフカストディアル型(自己管理型)の暗号資産ウォレット「グラム(GRAM)ウォレット」をすべてのテレグラムアプリに導入すると発表した。ドゥロフ氏は、テレグラムの約10億人のユーザーに向けてこのウォレットを利用可能にし、即時かつ手数料無料の仮想通貨取引が現実のものになると述べている。
セルフカストディアル型ウォレットとは
セルフカストディアル型ウォレットは、自己管理型ウォレットとも呼ばれ、仮想通貨取引所などの第三者(事業者)に依存せず、ユーザー自身が秘密鍵を直接管理するデジタルウォレットである。今回の発表により、ユーザーはテレグラムに資産を預けることなく、自分自身で暗号資産を管理できるようになる。
グラム(GRAM)とは
グラムはテレグラムの独自仮想通貨であり、2026年6月に旧称トンコイン(TON)からコミュニティ投票を経て改称された。この改称の背景には、テレグラムがトン財団から主要な運営主体および最大のバリデーターの役目を引き継いだことがある。テレグラムは2018年のネットワーク構築当初に「グラム」という名前のトークンを立ち上げる予定だったが、米証券取引委員会(SEC)の提訴によりプロジェクトから撤退。その後、コミュニティ運営のトン財団が「トンコイン」としてメインネットを稼働させ続けていたが、最近の規制環境の変化などを背景に、テレグラムが再び運営の主導権を握っている。
既存のウォレットとの関係
テレグラムはすでにウォレット機能を提供しており、ユーザーには運営側が秘密鍵を管理するカストディ型の「Crypto Wallet」とセルフカストディ型の「TON Wallet」という二つの選択肢が用意されている。今年初めの時点で、これらの登録ユーザー数は1億5,000万人を超えていた。ただし、既存のウォレットはテレグラムではなく、別会社である「The Open Platform」が構築・運営するものであり、新ウォレットとの関係や相違点などの具体的な詳細はまだ明かされていない。
市場への影響
この発表を受け、GRAMトークンは8%以上急騰し、一時1.55ドル(約300円)前後まで上昇した。ドゥロフ氏はこの取り組みを「人類史上最大規模となるセルフカストディアル型ウォレットの展開」と表現しており、テレグラムの10億人規模のユーザーベースを背景に、仮想通貨の大規模な普及につながる可能性があると期待されている。

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