Kraken、Aave Groupに15%出資交渉か

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Crypto

弱気相場の中で浮上した戦略的提携

暗号資産市場全体が軟調に推移するなか、6月25日、暗号資産取引所Krakenが分散型金融(DeFi)レンディング最大手Aave Groupへの戦略的出資に向けた交渉を進めているとの報道が浮上した。このニュースを受け、AAVEトークンは一時5%高の85ドルまで上昇し、市場の関心を集めている。

CoinDeskの報道によれば、KrakenはAave Groupの15%の株式取得を目指しており、本取引におけるAave Groupの評価額は約3億8500万ドルとされる。Krakenは約3万5000イーサリアム(ETH)——現在の市場価格で約7100万ドル相当——を拠出し、その見返りとして株式持分に加え、25万AAVEトークンを取得する見通しだ。

Krakenの事業多角化戦略の一環

本取引が実現すれば、Krakenが新設した投資部門Payward Asset Managementにとって初の大型投資案件となる。同部門は、中核の取引所事業を超えてデジタル資産エコシステム全体での戦略的投資を目的に設立された。

Krakenは現在、将来的な株式公開(IPO)に向けた準備を加速させており、4月には米国規制下のデリバティブプラットフォームBitnomialの買収にも合意。さらに、200億ドルに迫る評価額での新たな資金調達も報じられている。

これまでの暗号資産分野のベンチャー投資はインフラ系スタートアップが中心だったが、今回のAaveへの直接投資は、トークン化資産の機関投資家による採用拡大を背景とした、分散型レンディング市場への本格的なコミットメントを示すものといえる。

AAVE価格は上値抵抗に直面——KelpDAO事件後の回復は道半ば

Krakenの投資報道を受けてAAVEは一時上昇したものの、ファンダメンタルズ指標は依然として厳しい状況にある。

指標現状備考
TVL(総預入資産額)約120億ドルKelpDAO事件前の約260億ドルから半減
KelpDAO事件4月15日に2億9200万ドルのエクスプロイト発生被害者補償は5月に完了済み
手数料収入5月〜6月に一部回復も、本格的回復には至らず緩やかな改善傾向

DefiLlamaのデータによると、AaveのTVLはKelpDAOブリッジのエクスプロイト発生前の約260億ドルから大きく減少し、現在は約120億ドルにとどまっている。レンディング活動はここ数週間で徐々に回復し、5月初旬と6月初旬には手数料収入の急増も確認されたが、失われた流動性の半分以上をまだ取り戻せていない。

予測市場が示す慎重な見方

Polymarketの予測市場では、2026年中にAaveのTVLが100億ドルを下回る確率が約77%と示されており、市場参加者の慎重な見方が反映されている。このコントラクトの取引量は1000ドル未満と小規模ながら、直近の米PCEインフレ指標を受けた利上げ観測の再燃により、木曜日にはその確率が38ポイント上昇した。

Acheron Tradingのトレーディング責任者ジョナサン・ヤーク氏は、機関投資家の資金が暗号資産から人工知能(AI)関連へ継続的にシフトしている点を指摘し、短期的な逆風が続く可能性を示唆している。

スタンダードチャータードの強気予測

一方で、長期的な強気見解も存在する。スタンダードチャータード銀行は、トークン化された実物資産(RWA)と機関投資家向けレンディングの拡大を背景に、AAVEが2030年までに3500ドルに達する可能性があるとの予測を発表している。これは現在の価格から約40倍以上の上昇に相当する。

今後の注目ポイント

  1. KrakenとAave Groupの交渉進展:取引成立の可否と条件の詳細
  2. TVLの回復ペース:KelpDAO事件後の流動性回復が市場心理を左右
  3. マクロ経済環境:米国の金利動向とリスク資産への資金フロー
  4. 機関投資家の動向:RWAトークン化とDeFiレンディングへの参入加速

Krakenの出資が実現すれば、DeFiセクターへの伝統的金融プレイヤーの参入が加速する象徴的な事例となる。しかし、短期的にはKelpDAO事件の影響やマクロ経済の不透明感が重しとなり、AAVEの本格的な回復にはなお時間を要するとみられる。

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