米国財務長官のスコット・ベッセント(Scott Bessent)氏が、「解放の日(Liberation Day)」に発表した関税の一時停止期限である7月9日を前に、貿易合意が差し迫っていることをほのめかしたため、主要な暗号資産(仮想通貨)は6日の朝に上昇しました。
時価総額で最大の暗号資産であるビットコイン(BTC)は1%以上上昇し、一時10万9000ドルを突破。データソースのCoinDeskによると、決済に重点を置いたエックス・アール・ピー(XRP)とソラナ(SOL)トークンはそれぞれ2%を超える上昇となり、ミームトークンのドージコイン(DOGE)は3%上昇しました。時価総額で2番目に大きいトークンであるイーサリアム(ETH)は1.5%上昇し、2550ドルとなりました。
ベッセント氏はCNNのインタビューで、4月2日に発表された関税引き上げの一時停止期限である7月9日までに、米国は複数の貿易協定を最終決定する見込みだと述べました。
「ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は一部の貿易相手国に対し、交渉が進展しなければ、8月1日には4月2日の関税水準に戻ることを通知する書簡を送る予定だ。そのため、多くの合意が非常に迅速に成立するだろう」とベッセント氏はロイター通信に語りました。
8月1日に関税引き上げが発効
ベッセント氏は、7月9日が依然として交渉の期限であり、この期限までに合意に至らなかった場合、4月初めに発表された関税引き上げが8月1日から発効すると説明しました。
「今こそがその時だと言っているのだ。ペースを上げたいなら、そうすればいい。以前のレートに戻したいなら、それも1つの選択だ」とベッセント氏はCNNに語り、一部の国が協定の締結を「引き伸ばして」いると付け加えました。
トランプ大統領は今年初めに就任して以来、他国からの輸入品に関税を課すことで、米国を再び豊かにすることに注力してきました。この関税引き上げは、貿易関係の均衡を取り戻し、米国の貿易赤字を削減することを目的とした強圧的な戦術です。
トランプ大統領は4月2日に広範囲に及ぶ関税を発表し、全ての貿易相手国に10%の基本関税を課すことを皮切りに、多くの国に追加関税を課し、中には50%に達する国もあります。いわゆる「解放の日」の発表は金融市場の売りを誘発し、米国株は大幅な下落を記録し、ビットコインも7万5000ドルまで急落しました。
このパニックを受けて、トランプ政権は1週間後に90日間の一時停止を発表したとみられます。
その後、いわゆる「米国例外主義」が金融市場に再び現れ、主要米国株価指数は史上最高値を更新。S&P500とナスダックはともに世界の主要株価指数をアウトパフォームし、ビットコインは10万ドルを上回る水準で取引されています。

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