トランプ米大統領が、仮想通貨規制法案「クラリティー法(CLARITY Act)」に含まれる倫理条項に同意したことが分かった。米メディア・ザ・ブロックが20日、関係者の証言として報じた。数カ月にわたり交渉が続いていた同条項は、法案成立に向けた最後の障壁とされてきた。
クラリティー法とは
クラリティー法は、仮想通貨業界を米国で初めて包括的に規制する法案で、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の管轄を明確にする内容だ。特定の暗号資産が証券か商品かを定義し、業界に対する規制のグレーゾーンを解消することを目的としている。
倫理条項の争点
倫理条項は、大統領・副大統領・議会議員ら連邦当局者が在任中に仮想通貨で利益を得る行為を制限するもので、この点を巡って与野党の調整が難航していた。対立の中心にあったのは、トランプ氏個人が関わるミームコインと、同氏の一族が設立した企業「ワールド・リバティ・フィナンシャル(World Liberty Financial、WLF)」だ。
先月公表された財務開示では、トランプ氏がWLF関連で数百万ドル規模の収益を得ていたことが判明し、倫理条項の必要性を巡る議論が一段と強まっていた。開示文書によると、ミームコイン運営会社CICデジタルからのロイヤリティ収益が6億9,500万ドル超、WLFのトークン販売収益が5億8,800万ドル超にのぼった。
合意に至るまでの経緯
倫理条項は7月16日、トランプ氏とバーニー・モレノ、シンシア・ルミス両上院議員、ホワイトハウスの仮想通貨政策顧問パトリック・ウィット氏との会合で協議された。この会合では合意に至らなかったが、その後20日になってトランプ氏の了承を得たという。
関係者によると、法案の条文は早ければ20日夜にも公開される可能性があるが、後ろ倒しになる余地もあるとしている。条文が公開された後、上院本会議での採決に進む見通しだ。
今後のスケジュール
上院に残された審議期間は8月第1週までとされ、時間的制約は小さくない。関係者は、条文公開までの時間が長くなるほど、超党派での合意形成につながりやすいとの見方を示した。上院を通過した場合、法案は下院に戻され、その後トランプ氏の署名を経て成立する流れとなる。
なお、予測市場での成立確率は32%と過去最低水準に低下していたが、今回の合意を受けて成立観測が強まっている。

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