楽天グループは、国内勢として初めて独自の低軌道衛星を使った通信サービスに乗り出すことが明らかになりました。米新興企業ASTスペースモバイルと合弁会社を設立し、スマートフォンと直接通信できる低軌道衛星網を整備する計画です。
事業の概要
楽天グループは、携帯電話事業を手がける楽天モバイルの子会社として、米ASTスペースモバイルと新会社を2026年内に設立します。出資比率はほぼ対等とし、楽天グループが主導権を握る形としています。ASTの衛星を複数基購入し、国内用の衛星通信網を確立する方針です。
楽天モバイルは2026年第4四半期(10〜12月)に「Rakuten最強衛星サービス」として商用サービスを開始する予定です。将来的には、災害時に楽天以外のスマートフォン利用者にも開放する方向で検討しています。
技術的特徴
ASTスペースモバイルの低軌道衛星は、宇宙空間で約220平方メートルの巨大なアンテナを展開し、高度数百キロメートルを周回しながら高速データ通信を可能にします。この技術の最大の特徴は、専用端末やアンテナを必要とせず、普段使っているスマートフォンがそのまま衛星と直接通信できる点です。
2025年4月には、楽天モバイルとASTスペースモバイルは、日本国内で初めて市販のスマートフォン同士による低軌道衛星経由のブロードバンドビデオ通話に成功しています。この実証では、福島県と東京都間でのビデオ通話が実現されました。
競合との関係
現在、国内ではKDDIやNTTドコモ、ソフトバンクが米スペースXの「スターリンク」を使った通信サービスを展開しています。楽天グループの参入により、低軌道衛星通信市場での競争が激化することが予想されます。
政府の支援
政府・与党内では経済安全保障上の懸念から、日本独自の衛星通信網の構築が重要視されています。総務省は日本独自の衛星通信網を支援するため、最大1500億円を補助する事業を公募しており、楽天グループもこの支援を得たい考えです。また、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は2026年2月、楽天モバイルに衛星と地上の5G統合に向けた研究開発で約71.9百万ドル(約110億円)を助成しています。
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