メルカリの子会社で暗号資産サービスを展開するメルコインと、暗号資産取引所のコインチェックは6月8日、サービスの連携を開始した。2025年8月に発表された業務提携に基づくもので、メルカリアプリ上でコインチェックが取り扱う12銘柄の取引が新たに可能となった。
これにより、メルカリアプリで売買できる暗号資産は、従来のビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、エックスアールピー(XRP)の3銘柄に加え、ドージコイン(DOGE)、シバイヌ(SHIB)、ビットコインキャッシュ(BCH)、チェーンリンク(LINK)、サンド(SAND)、アバランチ(AVAX)、ステラルーメン(XLM)、ポルカドット(DOT)、ディセントラランド(MANA)、ライトコイン(LTC)、ザ・グラフ(GRT)、ペペ(PEPE)の計15銘柄となった。
同日の記者発表会では、メルコイン代表取締役CEOの中村奎太氏と、コインチェック取締役社長執行役員の井坂友之氏が登壇し、新サービスとその基盤について説明した。中村氏は、これまで3銘柄に絞ってきたのは初心者の参入障壁を下げるためであり、その役割は果たせたと説明。今回の拡大は、利用者が関心に応じて銘柄を選べる段階に進むものと位置づけた。
本サービスは、メルコインが媒介し、コインチェックを取引の相手方とする「連携口座サービス」として提供される。従来の3銘柄はメルコインが分別管理する一方、新たに追加された12銘柄はコインチェックのウォレットで管理される。利用にはメルコインの口座に加え、メルカリアプリを通じたコインチェックの連携口座開設が必要となる。申し込みは8日から段階的に受け付けられ、審査があり、18歳未満と75歳以上、日本国内に居住していない人は利用できない。すでにコインチェックの口座を直接保有している場合、連携口座は申し込めない。
メルコインのサービスは2023年3月の開始から約3年で累計400万口座を突破し、利用者の約9割が仮想通貨取引の未経験者という特徴を持つ。今回の連携により、初心者層に加え、より多様な銘柄を求める中級者以上の需要も取り込む狙いがある。
コインチェックは今回の連携にあわせ、暗号資産の取引機能をAPIで外部のアプリに組み込める新サービス「Coincheck CaaS(Crypto as a Service)」の提供を開始した。これは銀行機能を外部に提供する「BaaS(Banking as a Service)」の暗号資産版にあたり、組み込み型金融の一種とされる。パートナー企業は取引システムを一から構築する必要がなく、自社サービス内に暗号資産の売買機能を組み込める。井坂氏は、APIを通じた取引機能の連携は業界でも例が少なく、金融庁と対話しながら法規制に沿って設計したと説明。今回の連携を後続のサービスが参照する標準にしたいとの考えを示した。
背景には制度面の整備がある。金融庁は6月1日、電子決済手段・暗号資産サービス仲介業の新制度を施行した。井坂氏は、交換業の登録を持たない事業者でも仲介業の登録を受けて交換業者と組めばサービスを提供できるとし、CaaSがこうした参入を後押しすると述べた。
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