21日の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は反発して始まり、午前9時35分現在は前日比247ドル72セント高の4万5999ドル98セントで推移しています。米連邦準備理事会（FRB）が12月に利下げをするとの観測が高まっており、相場を支えています。ダウ平均は一時700ドル超高となる場面もありました。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は21日の講演で、金融政策運営について「短期的に一段と調整する余地がある」との見方を示しました。この発言は市場で12月の米連邦公開市場委員会（FOMC）での利下げを示唆したと受け止められています。
米短期金利先物市場の値動きから、市場が織り込む政策金利を示す「フェドウオッチ」では、12月に利下げを決める確率が前日の4割弱から7割ほどに上昇しました。これにより、投資家心理が改善し、ダウ平均は前日までに12日につけた最高値から計2500ドルあまり下落していた中で、短期的な戻りを期待した買いが入りやすくなっています。
一方で、ボストン連銀のコリンズ総裁は21日、政策金利は「現時点で適切だ」と語り、利下げを見送る考えを改めて示しました。コリンズ氏は12月のFOMCで採決の投票権があるため、利下げに消極的なFRB高官が複数いることから、様子を見たい投資家も多い状況です。
ハイテク株を巡っては、人工知能（AI）投資が過熱しており、株価指標面で割高感があるとの懸念が根強いです。21日もエヌビディアが高く始まった後で下落に転じるなど、不安定な値動きが続いています。
ダウ平均の構成銘柄では、ホーム・デポやマクドナルド、コカ・コーラが高く、IBMとウォルト・ディズニーにも買いが入っています。一方、ゴールドマン・サックスとマイクロソフトが下落しています。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も反発して始まりましたが、主力ハイテク株に売りが出ると、指数が下落に転じる場面も見られました。
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