出入国在留管理庁は22日、SNSを活用した外国人の不法就労対策を強化すると発表した。平口洋法相が同日の記者会見で明らかにしたもので、SNS上のやりとりを自動で分析し、不法就労に誘う動きなどを早期に発見して摘発につなげる方針だ。
・SNS分析による「攻めの摘発」へ転換
入管庁はこれまでもSNS上の情報収集を行ってきたが、人手に頼っており網羅的なチェックが難しく、日本語以外の言語でのやりとりも見つけにくいという課題があった。今回の方針は、AIや民間の分析ツールを導入し、入管庁自らが能動的に情報を収集・分析する「攻めの摘発」への転換を意味する。
具体的には、27年度にもクローリング(自動プログラムによる情報収集)のシステムを導入し、情報収集や分析に活用する計画だ。SNS上では違法な就労募集や在留資格の偽造に関する情報が拡散しており、こうした関連情報の収集・分析を行う。在留カードを偽装するといった不正もSNS上のやりとりから見つけることを目指す。
・摘発対象と背景
摘発の対象は、在留期間を過ぎて日本にとどまる不法残留者や、入管施設から一時的に収容を解く「仮放免」中の外国人を念頭に置く。仮放免中は原則として就労が認められていない。
入管庁によると、不法残留者は26年1月1日時点で約6万8000人と、25年から6000人ほど減少した。しかし、不法就労は行政の監視が行き届かず、劣悪な労働環境や税金の未納、地域住民とのトラブルといった問題が複合的に生じる恐れがあり、対処が急務となっている。
また、不法就労を手助けする「不法就労助長者」の摘発にも警察などと連携して注力する。在留期限が切れていると知りながら仕事をあっせんしたり雇用したりする行為が対象となる。不法就労助長罪は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される。
・「不法滞在者ゼロプラン」の一環
今回の対策は、2025年に政府が打ち出した「不法滞在者ゼロプラン」の一環として位置づけられている。政府は昨年7月、在留外国人に関する課題に取り組む司令塔組織を内閣官房に新設。入管庁は不法残留・就労者の取り締まりを強化しており、昨年は前年比459人増の1837人を摘発した。
また、入管庁は警察庁・法務省・厚生労働省と「不法就労外国人対策等関係局長連絡会議」を設置し、四省庁が連携して不法就労等外国人問題に取り組んでいる。インターネット上のパトロールを専門とする部署の創設も検討する方針だ。

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