トランプ米大統領は2025年7月30日、銅輸入品に対する新たな関税を定める布告に署名しました。この布告では、全ての半製品に対して一律50%の関税を課す一方、精錬銅への適用は見送られています。新たな関税は2025年8月1日から発効する予定です。
銅関税の影響と市場の反応
今回の関税適用範囲は、多くの市場関係者が予想していたほど広範ではなく、国内産業の大部分はコスト上昇の影響を免れる形となりました。これを受けて、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の銅先物は一時18%急落しましたが、その後はやや下げ幅を縮めました。
少額輸入品に対する関税免除措置の停止
同日、トランプ大統領は少額輸入品に対する関税免除措置、いわゆる「デミニミス」を停止する大統領令にも署名しました。この措置により、800ドル以下のすべての輸入品に関税が適用されることになります。これまで「デミニミス」は、中国系オンライン格安通販のSHEINやTemuなど、国外ディスカウント小売業者にとって大きな追い風となっていましたが、今後は新たな関税が課されることになります。
ホワイトハウスは、今回の措置が「関税逃れや、致死性の合成オピオイドなど安全性に問題がある製品や不当廉売品などの流入に悪用されてきた深刻な抜け穴」をふさぐものだと認識しています。トランプ政権は、中国企業が関税免除制度を悪用し、違法な合成オピオイドやその原料を米国に流入させているとして非難してきました。
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