スペースXは16日、AIコーディングエージェント「カーソル(Cursor)」の開発元であるアニースフィア(Anysphere)を、600億ドル(約9.6兆円)相当の自社株式で買収すると発表した。この大型買収は、スペースXが6月12日に歴史的なIPOを実施したわずか数日後という異例のタイミングで行われた。
買収の概要
同日提出された書類によると、アニースフィアは600億ドル相当のスペースX株式を受け取る。買収完了は2026年第3四半期を予定している。アニースフィアは2024年11月の資金調達ラウンドで企業評価額293億ドルを記録しており、わずか半年余りで評価額は約2倍に跳ね上がったことになる。
スペースX株価の急騰
スペースXの株価はIPO初日に19%上昇し、翌月曜日にさらに20%、米時間火曜日の取引時間中にも10%超の上昇を記録した。この急騰により、スペースXの時価総額は一時3兆ドル近くに達し、アマゾンの時価総額を上回る場面もあった。
カーソルとスペースXの戦略的位置づけ
カーソルはMIT出身の4人が2023年に設立した企業で、当初は暗号化メッセージアプリとして出発したが、AIコーディングツールに事業を転換。「バイブコーディング」と呼ばれる開発スタイルの先駆けとなり、現在は年換算で数十億ドルの収益を上げている。
カーソルは開発者がOpenAI、Anthropic、xAI、Googleなど複数のAIモデルを切り替えて利用できるツールを提供しており、Anthropicの「Claude Code」やOpenAIの「Codex」と市場で競合する。
カーソルは昨年、複数の大手AI企業からの買収提案を断っており、スペースXは4月に買収権を確保したと発表。当時から両社はコーディングとAI分野で緊密に連携していたという。
スペースXのAI戦略
スペースXはIPO前にAnthropicおよびGoogleとのクラウドコンピューティング契約を締結し、両社にコンピューティングリソースを提供することで財務基盤を整えていた。今回のカーソル買収により、宇宙開発とAIコーディングの融合による新たなシナジー効果が期待される。
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