米コロンビア特別区連邦検事のジャニーン・ピロ氏は24日、連邦準備制度理事会(FRB)の本部改修費用を巡る虚偽申告などの疑いで進めていたジェローム・パウエル議長への刑事捜査を終結しました。この決定は、トランプ大統領が次期議長に指名したケビン・ウォーシュ氏の上院での承認を確実にする重要な政治的転換点となりました。
指名承認の鍵を握る共和党のトム・ティリス上院議員は、パウエル氏への捜査が解決されるまでウォーシュ氏の指名に賛成しない意向を示していました。しかし、司法省が捜査の終了を宣言したことで、ウォーシュ氏の就任を阻んでいた党内からの反対意見が取り除かれ、早期の承認に向けた道筋が整いました。
パウエル議長は2025年のトランプ大統領就任以来、利下げを求めるホワイトハウスからの激しい圧力に晒され続け、任期終了を5月に控えています。今回の刑事捜査は、大統領の経済政策に反対するパウエル氏に対する政治的な妨害工作であるとの批判も根強く存在していました。
ウォーシュ氏の仮想通貨に対する姿勢
次期FRB議長候補のケビン・ウォーシュ氏は、上院公聴会で仮想通貨が金融業界に浸透しているとの認識を示しました。ウォーシュ氏は、デジタル資産を「経済の枠組みにおいて不可欠な要素」と位置づけ、金融業界への積極的な組み込みを肯定しています。
提出された財務報告書によれば、ウォーシュ氏はポリマーケットやソラナなど20以上の仮想通貨関連銘柄に投資し、総額1億3,000万ドル(約200億円)以上の資産を保有しています。この親仮想通貨的な姿勢は、デジタル資産に対して懐疑的な立場を取ってきた従来のFRB指導部からの大きな方針転換を意味します。
一方で、ウォーシュ氏はFRBの独立性維持を強調し、トランプ大統領との間で利下げに関するいかなる「取引」も行っていないと明言しました。彼は政治的圧力ではなく、あくまで経済データに基づいて金利設定を行う決意を表明しており、民主党などからの批判に対抗しています。
今後の展望
ウォーシュ氏の就任が確実となったことで、上院銀行委員会で停滞していた包括的な仮想通貨市場法案(クラリティー法案)の審議が再開する可能性も浮上しています。中央銀行のトップ交代と歩調を合わせる形で、デジタル資産の規制枠組み整備に向けた動きが活発化すると予想されています。

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