暗号資産市場における投機家の熱狂が、最近のデリバティブ市場での動向に如実に表れています。Coinglassの暗号資産デリバティブのリーダーボードを確認すると、ソラナ(Solana)ベースのミームコインであるファートコイン(FARTCOIN)が、デリバティブの建玉ベースで現在10番目に大きなトークンとなっていることがわかります。
ファートコインの建玉の急増
記事執筆時点で、ファートコイン関連の先物における建玉は10億ドル(約1450億円)を超え、このジョーク系の暗号資産は、ライトコイン(LTC)、チェーンリンク(LINK)、アバランチ(AVAX)といった既存のコインを上回っています。建玉とは、特定の時点で未決済またはアクティブなデリバティブ契約の数にロックされているドル換算価値を指します。
憂慮すべきファートコインの時価総額比率
特に憂慮すべきは、ファートコインの建玉が時価総額16億2000万ドル(約2349億円)の65%に達している点です。時価総額で見ると、ファートコインは世界83位に位置しています。一方、ビットコインのデリバティブ建玉は847億ドル(約12兆2815億円)で、この主要仮想通貨の時価総額2兆3600億ドル(約342兆2000億円)のわずか3.5%に過ぎません。
投機的過剰投資の兆候
ファートコインの建玉が時価総額に対して異常に多いことは、暗号資産市場の強気相場における投機的な過剰投資が蓄積されていることを示しています。これは、個人投資家が安価なトークンで多額のリスクを負っていることを意味します。
小規模コインに見られる同様の傾向
Alphractalが追跡しているデータによると、他の小規模コインでも同様の傾向が見られます。「上位300銘柄から下は、時価総額に比べて建玉が不釣り合いに多くなり、強いリスクシグナルを発する。これは何を意味するのだろうか。これらのコインは、ロングポジションかショートポジションかを問わず、最終的にはトレーダーの90%が清算されることになる。そして、一貫性を持って分析することも非常に困難だ」と、Alphractalの創設者兼CEOはXで述べています。
結論
ファートコインの急成長は、暗号資産市場における投機的な動きの象徴であり、投資家はリスクを十分に理解した上で行動する必要があります。市場の動向を注視し、冷静な判断を下すことが求められています。

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