ロボット掃除機「ルンバ」を製造する米アイロボットは、2025年12月14日に米連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請したと発表しました。この決定は、業績不振が長引き、身売り先を探したものの買い手が見つからなかったことが背景にあります。アイロボットは、製造を委託している中国企業のピセアグループ(杉川集団)の傘下に入ることになります。
米裁判所の承認を経て、アイロボットの全株式は主要サプライヤーである深圳市杉川機器人が取得します。ピセアはアイロボットから未回収の多額の売掛金を抱えており、12月までに米投資会社カーライル・グループから追加の債権を購入していました。
アイロボットは2026年2月までにチャプター11の手続きを終える見通しで、米ナスダック市場への上場は廃止される予定です。破産申請によって顧客や取引先への影響は出ないと説明しており、製品保証や修理などのアフターサービスもこれまで通り提供されるとしています。しかし、発行済みの全株式が消却されるため、株主は損失を被る見込みです。
アイロボットは2002年にルンバを発売し、家庭用ロボット掃除機の普及に貢献してきましたが、中国メーカーとの激しい価格競争に直面し、シェアが低迷していました。2025年7〜9月期の売上高は前年同期比で25%減少し、最終損益は2152万ドルの赤字となっています。

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