銅泥棒の増加:98億円の被害とその原因

※本サイトはプロモーションが含まれています
※本サイトはプロモーションが含まれています
Blog

価格高騰が止まらない金属の銅。昨年だけで98億円相当の銅が盗まれ、産業の転換を背景に世界的に需要が高まっていますが、トランプ関税によって争奪戦が起きる可能性も指摘されています。

相次ぐ銅の窃盗とその影響

全国で銅が狙われており、最近では山形県米沢市の倉庫から約2700個の古い水道メーターが盗まれ、被害額は約245万円に達しました。また、富山県では愛される銅像が盗まれる事件も発生しています。神奈川県では公園の建物から銅板がすべて剥がされるなど、銅の窃盗が相次いでいます。

警察庁によると、昨年の金属盗難の件数は2万701件に上り、4年間で4倍に増加しました。被害総額は約136億円で、そのうち約98億円分が銅によるものです。この急増の背景には、銅の価格高騰が影響しています。

銅の価格高騰の理由

銅の価格が高騰している理由は、電気自動車(EV)や人工知能(AI)など、電気を多く使用する分野での需要増加です。これらの産業では、銅が不可欠な材料であり、長期的に見ても需要は増加する一方です。現在の市場価格は1トンあたり135万円で、10年前の76万5500円に比べて約倍増しています。

トランプ関税の影響

トランプ政権の関税政策が銅市場に与える影響も懸念されています。関税が引き上げられることで流通経路が変化し、銅の争奪戦が激化する可能性があります。楽天証券の吉田哲アナリストは、「関税引き上げの結果、価格を押し上げる材料になる可能性がある」と警告しています。

企業の対応

銅の価格高騰に対して、企業は使用量の削減や代替材料の導入を進めています。自動車部品関連の企業では、一部の部品をアルミに変更することでコスト削減を図っていますが、音色や硬さの問題から銅の代用品がない製品も多く、価格転嫁を余儀なくされている企業もあります。

まとめ

銅の価格高騰とそれに伴う窃盗の増加は、今後も続くと予想されます。トランプ関税の影響が加わることで、銅市場はさらに混乱する可能性があり、企業や消費者にとって厳しい状況が続くことが懸念されています。政府は「金属盗対策法」の制定に乗り出していますが、専門家は「いたちごっこに被害は続く」と指摘しています。

PR
moomoo証券