日本、米国、欧州が連携し、小惑星の衝突から地球を守るための「プラネタリーディフェンス」活動を進めています。この取り組みは、過去に直径約10キロメートルの小惑星が地球に衝突し、恐竜の絶滅を引き起こしたことから、その重要性が増しています。
アポフィスの観測と技術開発
2029年に地球をかすめる小惑星「アポフィス」に対して、各国はその成分や構造を詳しく調査する計画を立てています。この調査は、小惑星の軌道を変更する技術の確立につながると期待されています。アポフィスは直径340メートルと推定されており、地球に非常に近い距離を通過するため、特に注目されています。
国際的な協力
このプラネタリーディフェンスの活動は、国際的な協力の下で行われており、NASAや欧州宇宙機関(ESA)といった機関が参加しています。最近では、東京大学で「天体衝突から地球を守る」というテーマの公開講演会が開催され、プラネタリーディフェンスに関する最新の情報が共有されました。
技術的な進展
具体的な技術としては、NASAのDART(ダート)ミッションが挙げられます。このミッションでは、小惑星に探査機を衝突させることで、その軌道を変更する実験が行われました。2022年には、直径160メートルの小惑星ディモルフォスに対して成功裏に衝突実験が実施され、軌道を33分遅らせることに成功しました。
今後の展望
今後、2029年を「国際惑星防護年」とすることで、各国が協力して小惑星衝突の脅威に立ち向かうことが期待されています。日本は、JAXAの小惑星探査機「はやぶさ」や「はやぶさ2」の経験を活かし、さらなる研究と技術開発を進めていく予定です。
このように、地球を守るための国際的な取り組みは、科学技術の進展とともに進化しており、今後の成果が期待されています。

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