自民党と公明党は、物価高騰や米国の関税措置に対する対策として、消費税の減税を政府に求める方向で検討を始めました。特に、値上げが続く食料品を対象にした減税が念頭に置かれています。
公明党の斉藤代表は、10日の党中央幹事会で「最も効果的な対策は減税で、家計や企業の負担を直接軽減することだ」と述べ、新たな経済対策としての減税の重要性を強調しました。しかし、減税を実施するには法改正が必要であり、準備期間を含めると実現には時間がかかることも指摘しました。斉藤氏は即効性を重視し、現金給付の実施も提案しましたが、「現金還付だけでは下支えとして不十分で、持続的な効果が低い」とし、減税の必要性を再度強調しました。
公明党内では、食料品などを対象に消費税率を一時的に引き下げる案が浮上しています。自民党内でも、参院選の公約に消費税減税を盛り込むべきだとの意見が出ており、松山政司参院幹事長は「給付も減税も含めてあらゆる選択肢を排除せず、国民生活に寄り添いながらしっかりと対応することが重要だ」と述べました。
一方で、自民党内には消費税減税に慎重な意見も多く、「実施すべきではない。社会保障を支える重要な財源だ」との声も上がっています。消費税は1989年に3%で導入され、その後1997年に5%、2014年に8%、そして2019年10月には現在の10%に引き上げられました。消費税は国の税収の中で最大の3割以上を占めており、少子高齢化に伴う社会保障費の安定した財源となっています。
このように、消費税減税に関する議論は、経済対策としての効果と社会保障の財源としての重要性の間で揺れ動いています。今後の動向に注目が集まります。

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