米スペースXは16日、予定していた世界最大のロケット「スターシップ」の13回目の試験飛行を、打ち上げ直前に自動中止システムが作動したため中止した。これを受け、同社株は時間外取引で急落した。
打ち上げ中止の経緯
スペースXは米南部テキサス州で16日午後5時45分(日本時間17日午前7時45分)に打ち上げを予定していた。カウントダウンはゼロまで進みエンジンは点火したものの、その直後に停止した。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はXへの投稿で「エンジンの一部が始動せず、自動打ち上げ中止が作動した」と説明した。スペースXの広報担当者は、ライブ配信で「ラプターエンジンの点火を開始した時点で、ブースターに停止指令が出て打ち上げが中止された」と述べている。
マスクCEOは、良好な飛行を確実にするためラプターエンジン2基を交換し、打ち上げは来週前半に再挑戦する可能性が最も高いとしている。
株価への影響
16日の通常取引終値は131.11ドルで、新規株式公開(IPO)価格の135ドルを上場後初めて下回った。打ち上げ中止を受けて時間外取引では約3%下落し、一時125ドル前後まで急落した。
スペースX株は6月中旬の上場後高値から約3分の1下落しており、時価総額は8600億ドル以上縮小している。上場後初の大規模試験飛行の失敗が、市場の信頼感に影響を及ぼしている。
試験飛行の重要性
今回のスターシップV3の試験飛行は、スペースXがIPOを完了して以来初の大規模な飛行試験であり、資本市場から大きな注目を集めていた。スターシップは、スターリンク衛星ネットワーク、将来の軌道上データセンター、NASAの有人月面着陸計画、そして火星探査のビジョンを繋ぐ中核的な輸送プラットフォームである。
アナリストらは、今回の試験飛行の成否が同社の長期的な成長ロジックに対する市場の判断に直接影響を与えると見ている。スターシップは、1キログラムあたりの打ち上げコストを現在の約2720ドルから100ドル未満に引き下げることを目指しており、これが軌道上AIデータセンターや次世代スターリンクの配備など、同社の野心的な新市場の採算性を左右する。
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