佐賀県警は8日、科学捜査研究所に所属する40代の男性技術職員が、実際には行っていないDNA型鑑定を実施したかのように装う虚偽の報告や、鑑定結果に関する書類の日付改ざんを行っていたことを明らかにしました。この不正行為は2017年6月から2024年10月までの7年超にわたり、130件に及ぶことが確認されています。
不正の詳細と処分
県警はこの職員を懲戒免職処分とし、13件に関しては虚偽有印公文書作成や証拠隠滅の疑いで書類送検しました。130件のうち、証拠として検察庁に送られたのは、殺人未遂や不同意わいせつなどの事件に関する16件でしたが、佐賀地検は「処分の決定や公判における証拠として使用された事例はなく、捜査や公判に影響したものはなかった」としています。
職員の行動と動機
この職員は、7年超の期間に632件の鑑定を担当し、実際には鑑定していないにもかかわらず、鑑定を実施したと偽った報告を9件行いました。また、依頼された遺留物について「人由来の付着物は認められなかった」といった虚偽の回答をしたことも明らかになっています。職員は「上司に仕事を早く終わらせたと思わせたかった」と説明しています。
再発防止策と謝罪
井上利彦首席監察官は、県民に対して深く謝罪し、今後の再発防止に努めることを表明しました。県警は、監督責任を問い、技術職員2人に対して本部長注意、1人に対して所属長注意を行いました。また、内部調査を通じて、今後のチェック体制を見直す方針です。
この問題は、県民の信頼を著しく損ねる事案であり、今後の捜査や公判に影響がないことを確認しつつ、再発防止に向けた取り組みが求められています。
👉SBI証券に登録して株式投資を始める

![]() |