OpenAI(オープンAI)は、最新の投資ラウンドで83億ドル(約1.2兆円)の新規資金を確保した。この資金調達は、400億ドル(約6兆円)の資金調達の一環であり、米CNBCなどが報じている。
ドラゴニアが主導、主要投資家も参加
今回の資金調達ラウンドは、ドラゴニアが28億ドル(約4,100億円)で主導し、ブラックストーン、セコイア、アンドリーセンホロウィッツなどの主要投資家も参加している。資金調達は予定より早く完了し、応募者枠の倍率は5倍に達した。
ソフトバンクが最大の投資家に
オープンAIは4月に、今年中に400億ドルを資金調達する計画を発表しており、ソフトバンクが最大の投資家となる見込みだ。ソフトバンクは年末までに300億ドル(約4.4兆円)の出資を約束している。資金はAIの研究推進とコンピューティングインフラの拡大に使用される予定で、約180億ドル(約2.7兆円)は、ソフトバンク、オープンAI、オラクルの合弁事業「スターゲート」に充てられる見込みだ。
年間経常収益が急増
DealBookによると、オープンAIの年間経常収益は6月の100億ドルから現在は130億ドル(約1.9兆円)に急増し、年末までに200億ドル(約3兆円)を超えると予測されている。年間経常収益(ARR)は、安定的・継続的に得られる収益を指す。
ChatGPTの有料ビジネスユーザー数が増加
ChatGPTの有料ビジネスユーザー数も、数か月前の300万人から現在は500万人にまで増加している。
マイクロソフトとの協議
ブルームバーグによると、マイクロソフトとオープンAIは、オープンAIが「汎用人工知能(AGI)」を達成した後でも、マイクロソフトがオープンAIの最新モデルを利用できる条件を協議している。オープンAIは設立当初、大手IT企業に支配されないAGIを創造することを目指していたが、現在の契約ではAGIを達成した時点でマイクロソフトがオープンAIの技術に関する一部の権利を失うことになる。
投資の行方と営利企業への移行
マイクロソフトはオープンAIに約137億5,000万ドル(約2兆円)を出資しており、知的財産権も保有している。両社の協議が実現すれば、オープンAIが営利企業を目指す際の大きなハードルが取り除かれると見られる。ソフトバンクは、2025年末までにオープンAIが営利企業に再編されない場合、投資額を減らす可能性があると警告している。
一方、オープンAIは今年初めに営利企業への移行を検討し始めたが、大きな反発に直面している。イーロン・マスク氏は、オープンAIが「人類の利益のためのAI」を設立するという契約に基づいていると主張し、訴訟を起こしている。

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