中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は2026年7月10日、訪中した北朝鮮の朴泰成(パク・テソン)首相と北京の人民大会堂で会談した。中国国営新華社通信が伝えた。両氏は、中朝の事実上の軍事同盟を裏付ける「中朝友好協力相互援助条約」の重要性を確かめた。
会談の内容
会談で習氏は、「世代を超えた友好や助け合いが中朝関係の特徴だ」と強調した。また、「(両国の)戦略的協力を強化し、それぞれの主権と安全を断固として守らなければならない」と述べた。
朴氏は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記のメッセージを伝えた上で、2026年6月の習氏の訪朝が「両国関係の新たな道しるべを打ち立てた」と応じた。朴氏は12日まで滞在し、記念行事などに出席する。
中朝友好協力相互援助条約の概要
中朝友好協力相互援助条約は、1961年7月11日に北京で、中国の周恩来(しゅうおんらい)総理と北朝鮮の金日成(キム・イルソン)首相によって調印された。同年9月10日に発効した。
本条約の主な内容は以下の通りである。
- 第一条:締約双方は、アジアと世界の平和および各国人民の安全を維持するため、あらゆる努力を続ける。
- 第二条:締約双方は、いずれかの国に対する攻撃を防止するため、共同してあらゆる措置を講じることを保証する。一方が他国から武力攻撃を受けた場合、他方は直ちに全力を挙げて軍事的その他の援助を与える。
- 第六条:朝鮮の統一は平和的・民主的な基礎の上で実現されるべきであり、このような解決は朝鮮人民の民族的利益と極東の平和維持の目的に合致すると認める。
- 第七条:本条約は、双方が改正または終了について合意するまでは、引き続き有効である。
本条約は、中国が現在も有効な形で結んでいる唯一の防務条約である。一方、北朝鮮は2024年6月18日にロシアとの間で「ロ朝全面戦略パートナーシップ条約」を締結している。
条約締結65年の意義
中朝は2026年7月11日、友好協力相互援助条約の締結から65年を迎える。締結65年の節目を共に祝うことで、強固な関係を誇示する狙いがあるとみられる。
中国外務省の毛寧(もう・ねい)報道局長は9日の記者会見で、「中国は、両首脳間の重要な共通認識を指針とし、中朝の伝統的な協力関係を発展させていく用意がある」と述べていた。
中朝関係の最近の動向
習近平国家主席は2026年6月8日から9日にかけて、7年ぶりに北朝鮮を訪問し、金正恩総書記と戦略的連携を拡大する方針を確認していた。今回の朴泰成首相の訪中は、その流れを受けたものであり、条約締結65年の節目に関係強化を図るものとみられる。

![]() |


