世界最大の仮想通貨取引所バイナンスは、2026年2月6日にユーザー保護基金「SAFU(Secure Asset Fund for Users)」による3,600ビットコイン(BTC)の購入を完了したと発表しました。この購入は、約2.5億ドル相当のステーブルコインで行われ、SAFU専用アドレスの保有量は6,230BTCに達しました。
バイナンスは、1月30日の発表から30日以内に基金の転換を完了することを目指し、ビットコインの購入を継続する意向を示しています。SAFUは2018年7月に設立された緊急保険基金で、取引所のセキュリティ侵害などの極端な状況に備え、ユーザー資産を保護する目的で運用されています。バイナンスは取引手数料の一部をこの基金に充当しており、2025年には約4,800万ドル相当のユーザー資産保護を実施しました。
1月30日には、SAFUの10億ドル相当のステーブルコイン準備金を30日以内にビットコインに転換する計画が発表されていました。バイナンスは公開書簡で、「市場の変動と不確実性の時期においても、業界と共に歩み続ける」と表明し、「ビットコインは仮想通貨エコシステムの中核資産であり、長期的価値を代表する」との信念のもと、市場サイクルを通じて業界への投資を続けると強調しました。
また、基金の市場価値がビットコイン価格の変動により8億ドルを下回った場合は、10億ドルに回復させるための再調整を行うとしています。この施策は、2025年10月10日に発生した190億ドル規模の強制清算事件以降、バイナンスに対する批判が高まる中で行われたものです。アーク・インベストのキャシー・ウッドCEOは、1月26日に「バイナンスのソフトウェア障害が280億ドルのデレバレッジを引き起こした」と発言し、ビットコインの価格低迷はこの事件の影響だと指摘しました。バイナンスは当時、影響を受けたユーザーに2億8,300万ドルの補償を行いましたが、これは清算総額の約1%に過ぎず、市場参加者からの不満が続いていました。
バイナンス創業者のCZ氏は、2月3日にSNS上で拡散された複数の噂に反論しました。「バイナンスが10億ドルのビットコインを売却した」という噂については、「バイナンスのユーザーが10億ドルのビットコインを売却した」と訂正し、バイナンスのウォレット残高はユーザーが出金する時のみ変動すると説明しました。また、SAFU基金の転換について30日間かけて実施する予定だと改めて明らかにし、「10億ドルを30日間で購入しても、ビットコインの時価総額1.7兆ドルに対する影響は限定的だ」と話しました。
一部のトレーダーは、バイナンスが仮想通貨市場に数百万ドルを投入し、ビットコインを積極的に購入することでショートポジションの解消を強制していると指摘しています。一方、市場は軟調な地合いが続く中で、バイナンスによる10億ドル規模の購入計画が短期的な価格の下支え要因になるとの見方もあります。

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