レイヤー1ブロックチェーンのAptos(アプトス)を開発するAptos Labs(アプトス・ラボ)は、国境を越えた24時間稼働の資本市場を目指す「Global Trading Engine(グローバル取引エンジン)」構想を発表しました。この構想は、次世代の金融インフラを構築することを目的としており、ステーブルコイン、現実資産(RWA)、オンチェーン注文板(CLOB)、クロスチェーン対応、AIウォレットなどの要素を融合させることを目指しています。
グローバル取引エンジンの主な構成要素
- マルチステーブルコイン対応:
- USDT、USDC、USDeなどのステーブルコインがすでにAptos上に展開されており、時価総額は10億ドル以上に達しています。これにより、ユーザーは安定した価値の通貨を利用して取引を行うことができます。
- RWA(Real World Assets)対応:
- 株式、不動産、国債などの現実資産をオンチェーンで取引可能にすることで、従来の金融市場とブロックチェーン技術の融合を図ります。これにより、資産の流動性が向上し、より多くの投資機会が提供されることが期待されます。
- 分散型注文板(CLOB):
- オープンソースで高速かつ公平な取引インフラを提供し、ユーザーが透明性のある環境で取引を行えるようにします。これにより、取引コストの削減や取引の迅速化が実現されます。
- クロスチェーンアカウント:
- 他のブロックチェーン(例:SolanaのPhantom)からAptos DEXに即アクセスできる機能を提供し、異なるブロックチェーン間での資産移動を容易にします。
- 性能強化:
- 150msのブロックタイムと11,000TPS以上の処理性能を実現し、RaptrやZaptosなどの革新的技術を導入することで、取引のスピードと効率を向上させます。
- ユーザー体験の革新:
- アカウント抽象化やAIウォレット、自動取引スケジューラーなどの機能により、誰でも簡単に取引が可能となります。これにより、初心者から上級者まで幅広いユーザーが利用しやすい環境が整います。
Aptos Labsのビジョン
アプトス・ラボの共同創業者であるエブリー・チン(Avery Ching)氏は、「世界の金融市場は、スピード・透明性・公平性の面で進化が求められています。Aptosはそのためのインフラをゼロから構築してきました。グローバル取引エンジンの発表は、真の意味でオープンでアクセス可能な資本市場への第一歩です」と述べています。この発言は、Aptosが目指す金融の未来を象徴しています。
日本市場への進出
アプトスは2024年10月にハッシュポートの子会社であるHashPalette(ハッシュパレット)を買収し、日本市場への進出を強化しています。さらに、まもなく開幕する「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」において、ハッシュポートが提供する「EXPO2025デジタルウォレット」の事業連携サービスの基盤となることが決定しています。このウォレットでは、アプトスのネイティブトークンであるAPT(アプトス)が利用可能です。
まとめ
Aptos Labsの「Global Trading Engine」構想は、次世代の金融インフラを構築するための重要なステップです。ステーブルコインや現実資産の取引、分散型注文板の導入など、多くの革新的な要素が組み合わさることで、よりオープンでアクセス可能な資本市場の実現が期待されます。日本市場への進出も含め、今後の展開に注目が集まります。

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