中国遼寧省大連市に拠点を置く日系電機大手の日本人男性社員(50代)が5月下旬、中国当局に拘束されたことが、朝日新聞の取材で明らかになった。関係者によると、この男性は中国が対日輸出を厳しく規制しているレアアース(希土類)を加工した製品を、中国国外に不正に輸出しようとした疑いが持たれているという。
中国は2025年4月、米中対立の激化を受けてレアアースの輸出規制を強化。以降、日本を含む世界各国向けの輸出に滞りが生じる状況が続いている。さらに同年11月には、高市早苗首相の台湾有事に関する国会答弁をきっかけに日中関係が悪化。中国側は事実上の対抗措置として、2026年1月に日本向けの軍民両用製品の輸出規制を強化し、2月下旬にはさらなる規制強化を実施した。中国外務省は当時の記者会見で、これらの措置の目的を「日本の再軍備と核保有の企てを阻止すること」と説明している。
中国が指定する軍民両用製品にはレアアースなどの重要鉱物が含まれており、中国の統計によれば、日本向けレアアース磁石の輸出量は減少傾向にある。日本企業の関係者からは、実際に供給網への影響が出始めているとの声が上がっている。
高市首相は6月中旬、フランスで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)において、中国のレアアース輸出規制について「中国による対日措置がサプライチェーンに影響を与えかねない状況を、深刻に懸念している」と批判。各国の備蓄制度立ち上げ支援や共同備蓄制度の創設を提案した。

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