東京都庁薬務課、「マンジャロ」めぐりXで警告

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X上での医薬品の不正販売の監視を行っている公式Xアカウント「東京都庁薬務課」による2型糖尿病治療薬「マンジャロ」の無許可販売をめぐる注意喚起が、SNS上で注目を集めている。

東京都庁が異例の取り組み

「直ちに販売を中止して下さい」。東京都薬務課は、SNSでマンジャロを販売するXユーザーらに対し、「東京都保健医療局健康安全部薬務課です。医薬品であるマンジャロを許可等なく販売等することは医薬品医療機器等法に違反します。直ちに販売を中止して下さい」とのリプライを送っている。

一連の投稿はSNSで拡散され、「安心できる」と受け止める声が広がった。薬務課だけでなく、警察庁も対応に乗り出すべきだとする意見もある。東京都議の青木英太氏も、「マンジャロの適正な販売について 東京都もこのようにいっています」と反応している。

2型糖尿病の治療薬「マンジャロ」めぐりダイエット目的での使用が横行

昨今、2型糖尿病の治療薬としてのみ承認されている薬「マンジャロ」を、ダイエットなどの美容目的で使用する行為が問題視されている。美容クリニックなどで販売されているものだが、SNS上では個人間取引も確認される。

医薬品は適切に使用した場合でも副作用が生じる可能性がある。特に、適応外使用による健康被害はすべてが自己責任となるため、安易な使用は思わぬトラブルにつながるリスクの高い行為だ。

また、個人が医薬品等を販売する行為は、法律に抵触する可能性がある。東京都保健医療局は「フリマ・オークションサイト(アプリ)で許可なく医薬品等を販売することはできません」と題したページで、注意喚起を行っている。

同局によると、「許可無く医薬品をフリマサイト等で販売すること」「許可や届出無く医療機器(一般医療機器除く)をフリマサイト等で販売すること」「国内で医薬品に指定されている成分を含む海外製のサプリメントを出品すること」などは、「たとえ1回のみの販売であっても医薬品医療機器等法に違反する恐れ」があるという。

「医者でなければ医薬品に関わってはいけないのですか?」

SNSでは、インフルエンサーとしても活動する人気キャバクラ嬢「ゆいぴす」さんの発言も波紋を広げていた。

以前からマンジャロを使用していることを公言しているゆいぴすさんは、実業家の溝口勇児さんが出資したマンジャロのオンライン処方サービス「diet beauty」のアンバサダーに就任し、発信活動を行っている。

2026年5月25日のX投稿では、自身への批判について「リスクは個人的に使ってるので分かりますし、経験してます。あとは、私はそもそも医者でもないですよ。医者でなければ医薬品に関わってはいけないのですか?」と反論。「日本人ってなぜここまでマンジャロに批判的なのでしょう? 世界中での売り上げはご存じですか?」と主張していた。

マンジャロの適応外使用におけるリスク

マンジャロは日本では「2型糖尿病」の治療薬としてのみ承認されている。一方、同じ有効成分(チルゼパチド)を持つ「ゼップバウンド」は「肥満症」の治療薬として承認されているが、保険適用となるのはBMIが35以上、またはBMIが27以上で高血圧など2つ以上の健康障害を持つといった厳しい基準を満たす必要がある。

適応外使用におけるリスクとして、以下の点が指摘されている。

  • 重篤な副作用のリスク:急性膵炎やイレウス(腸閉塞)、アナフィラキシーなどが報告されている。
  • 救済制度の対象外:適応外使用による健康被害は「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となる可能性が高い。
  • 不健康な減量とリバウンド:痩せる必要のない人が使用すると脂肪だけでなく筋肉も落ち、薬の中断後にリバウンドする可能性が高い。

東京都の警告の実績と今後の展開

東京都が2025年度にX上で警告した497件の投稿のうち、約75%に当たる375件が「マンジャロ」や「リベルサス」など糖尿病治療薬の取引に関するものだった。他に注意欠如多動症(ADHD)の治療薬などの販売をうたう投稿も確認された。

警告は投稿にリプライ(返信)を付ける形で実施。改善されない場合、Xの日本法人に投稿の削除を要請している。また、Xから秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」に誘導して販売するケースがあるといい、都は本年度からテレグラムでも警告する取り組みを始める。

東京都は公式アカウントからの警告について、「今後も粛々と続けていく」としている。

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