高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染防止を目的に、NTT東日本のグループ会社がレーザー搭載の小型ドローンを開発しました。このドローンは、感染源となる野鳥に光を照射して追い払い、養鶏場への侵入を防ぐ仕組みです。特に昨シーズン、全国最多の感染件数を記録した千葉県では、導入費用を補助する制度を設け、養鶏業者の対策を支援しています。
ドローンは約15キロの総重量を持ち、ボタン一つで事前に設定した飛行範囲を自動で飛行します。全長・全幅は約1メートルですが、運搬時には約60センチに折りたたむことが可能です。開発した「NTTイードローンテクノロジー」によると、カラスやムクドリは緑色の光を嫌がり、赤色の光は食べ物に見えるため、赤色の光でおびき寄せ、緑色の光で逃避行動を促します。
感染の一因は野鳥の侵入やふんを通じて鶏舎内にウイルスが持ち込まれることです。従来の防鳥ネットでは限界がありましたが、ドローンは上空から照射できるため、高所にいる鳥にも対応可能です。実験では、約80羽のカラスの群れがいなくなる効果が確認されています。
農林水産省によると、昨秋から今年初めまでの昨シーズンに、14道県の養鶏場で51件の感染があり、932万羽が殺処分され、鶏卵の価格が高騰しました。千葉県では特に16件の感染が確認され、県はドローン導入費用の補助を決定しました。
このドローンは、鳥類による食害防止への応用も期待されています。実証実験では、東京都内の柿農家でインコによる食害が抑えられ、長野県の諏訪湖ではカワウを追い払う効果が確認されています。担当者は「鳥インフルは全国の養鶏業者の悩み。活用してほしい」と述べています。

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