2025年4月1日、日本銀行が発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、大企業製造業の業況判断指数(DI)は、昨年12月の前回調査から2ポイント下落し、プラス12となりました。これは4四半期ぶりの悪化を示しており、トランプ米政権の関税強化策や円安による原材料費の上昇が影響を及ぼしています。
製造業の景況感の悪化
製造業のDIは全16業種のうち11業種が悪化し、5業種が改善しました。特に、トランプ政権の追加関税対象となった鉄鋼業界は10ポイントの下落を記録し、落ち込みが目立ちました。また、繊維業界は23ポイント、石油・石炭製品は17ポイントと大幅に下げています。これらの要因は、米国の関税政策が企業の景況感に与える影響を反映しています。
一方、自動車業界は認証不正問題で停止していた生産の再開が進んだことから、5ポイントの上昇を見せました。このように、業種によって景況感の変動が顕著に表れています。
非製造業の改善
対照的に、大企業非製造業のDIは2ポイント上昇し、プラス35となり、2四半期ぶりに改善しました。この改善は、円安によるインバウンド(訪日客)消費の好調さが寄与しています。具体的には、小売業が8ポイント上昇し、建設業と宿泊・飲食サービスもそれぞれ6ポイントの上昇を記録しました。非製造業全体では、7業種が改善し、3業種が悪化、2業種は横ばいでした。
経済全体への影響
今回の短観結果は、製造業の景況感が悪化している一方で、非製造業が改善していることを示しています。これは、円安がもたらすインバウンド需要の増加が、消費者の購買意欲を支えていることを示唆しています。しかし、製造業の悪化は、今後の経済成長に対する懸念材料となる可能性があります。
特に、原材料費の上昇や米国の関税政策が企業のコスト構造に与える影響は、今後の業績に大きな影響を及ぼすでしょう。企業はこれらの外部要因に対処しながら、持続可能な成長を目指す必要があります。

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