タイラー・ウィンクルボス氏とキャメロン・ウィンクルボス氏が創設した暗号資産取引所ジェミナイ・スペース・ステーション(Gemini Space Station)は、2025年9月12日にナスダックに上場し、IPOで4億2500万ドル(約616億円)を調達しました。IPO価格は1株28ドルに設定され、取引開始前の時価総額は約33億ドル(約4785億円)となりました。この価格は、以前の修正後の価格範囲である24~26ドルを上回り、当初の17~19ドルから大幅に引き上げられたものです。
株価の急騰
ジェミナイ株は上場初日にIPO価格を32%上回る37.01ドルで取引が開始され、その後45.89ドルまで上昇しましたが、最終的には32ドルで取引を終え、IPO価格を14%上回る結果となりました。このような急騰は、暗号資産関連企業のIPO市場における最近の好調な動きを反映しています。
企業の展望とウィンクルボス兄弟の見解
ジェミナイは、現物取引所や機関投資家向けのカストディ・ソリューション、米ドル裏付け型ステーブルコイン、暗号資産報酬型クレジットカード、ステーキング商品など多岐にわたるサービスを展開しています。7月末時点で、同社は210億ドル(約3兆円)の資産を保有しており、2024年には1億5900万ドル(約231億円)、2025年上半期には2億8300万ドル(約410億円)の損失を計上する見込みです。
IPO当日の朝、ウィンクルボス兄弟はCNBCに出演し、ビットコインを「ゴールド2.0」と表現し、その普及はまだ「1イニング」の段階であると述べました。彼らは、ビットコインが今後10年以内に100万ドル(約1億4500万円)に達する可能性があると予測しています。
結論
ジェミナイの上場は、暗号資産市場の回復を示す重要な出来事であり、ウィンクルボス兄弟の戦略が今後の市場に与える影響にも注目が集まっています。彼らの取り組みは、暗号資産の普及と信頼性向上に寄与することが期待され、特に規制の明確化や市場の安定性が進む中で、投資家の信頼を高める要因となるでしょう。
このような背景から、ジェミナイの成功は、暗号資産が主流の金融市場において重要な役割を果たす可能性を示唆しています。ウィンクルボス兄弟のビジョンが、今後の市場動向にどのように影響を与えるか、引き続き注視する必要があります。

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