ツイッター共同創業者でブロックCEOのジャック・ドーシー氏は7日、完全分散型のP2Pメッセージアプリ「ビットチャット(Bitchat)」を発表し、テストを開始しました。このアプリはBluetoothメッシュネットワークを利用しており、インターネットや中央サーバーを必要とせずに動作します。
ビットチャットは、近距離デバイス間で暗号化された一時的な通信を実現します。ユーザーが移動することで、スマートフォンが局所的なBluetoothクラスターを形成し、デバイス間でメッセージを中継することで通信範囲を拡大します。メッセージはデバイス上のみに保存され、デフォルトで消去される仕組みです。また、アカウント、電話番号、メールアドレスは一切不要で、個人データの収集も行われません。ドーシー氏は「プライバシー保護と検閲耐性のある通信」への取り組みを強調しています。
このアプリは、2019年の香港デモで使用されたBluetoothベースのアプリと同様に、インターネット遮断時でも機能する設計となっています。さらに、ハッシュタグやパスワードで保護されたグループチャット機能や、オフラインユーザーへのメッセージ配信機能も搭載されています。
現在、TestFlightでベータ版が公開中で、今後のアップデートでWiFi Direct機能が追加される予定です。これにより、通信速度と範囲がさらに向上し、完全なオフグリッド通信の実現に近づくことが期待されています。ビットコイン(BTC)送信機能も既に実装されており、ユーザーは暗号資産の送受信も可能です。

![]() |