ウィンクルボス兄弟が設立した暗号資産取引所ジェミナイ（Gemini）が、今週にもニューヨークで株式を公開する準備を進めているとロイターが報じました。この株式公開ではナスダック（Nasdaq）が戦略的投資家として参加する予定です。
報道によると、ジェミナイは株式売却により最大で3億1700万ドルを調達する可能性があります。ナスダックは株式公開の際に私募形式で約5000万ドル相当の株式を取得する見込みとのことです。上場後のティッカーシンボルは「GEMI」を予定しています。
ナスダックとの関係は単なる資金調達に留まりません。今回の提携によりナスダックの機関投資家顧客はジェミナイが提供する暗号資産のカストディ（資産管理）やステーキングサービスを利用できるようになります。一方、ジェミナイの顧客はナスダックのプラットフォームを使って担保資産の追跡や管理が可能になるなど双方にメリットがある戦略的パートナーシップとなります。
暗号資産財務企業に逆風、ナスダックが資金調達を厳格化
この株式公開は米国の株式市場で新規上場への需要が回復し、特にテクノロジーや暗号資産関連企業への関心が高まる中で行われます。上場が成功すればジェミナイはコインベースとブリッシュ（Bullish）に次いで、3番目に株式を公開する暗号資産取引所となります。
ジェミナイは現在、約210億ドルの顧客資産を預かりこれまでの累計取引高は2850億ドルを超えています。しかし、2025年上半期の業績は売上高6860万ドルに対し2億8250万ドルの純損失を計上しており、前年同期の4140万ドルの損失から赤字が拡大しています。
なおジェミナイとナスダックは本件に関する詳細なコメントを控えています。計画は今後の市場環境によって変更される可能性も指摘されています。
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