サークルがラップドビットコイン「cirBTC」をイーサリアムで正式ローンチ

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Crypto

USDCステーブルコインの発行体であるサークル(Circle)は、イーサリアム上でビットコインのラップトークン「cirBTC」の提供を正式に開始した。cirBTCはネイティブのビットコイン(BTC)によって1対1で裏付けられており、機関投資家がDeFi(分散型金融)や貸付市場、OTC取引、決済システムを通じて利用できる担保インフラとして設計されている。

透明性と規制準拠を前面に

cirBTCの最大の特徴は、その透明性と規制準拠の枠組みにある。裏付けとなるビットコインはサークルの事業体を通じて保管され、企業資産とは分別管理される。発行体はバミューダのClass Fライセンスを保有するCircle International Bermuda Limitedであり、準備金の透明性はChainlinkのProof-of-Reserveを通じてオンチェーンで確認できる仕組みが採用されている。

サークルは、既存のステーブルコイン発行基盤「Circle Mint」やUSDCのワークフローとの統合を進めており、将来的にはサークル独自のレイヤー1ブロックチェーン「Arc」との連携も計画されている。同社は「中立性の原則は、発行者のインセンティブを広範な採用に向けることであり、特定の取引プラットフォームに活動を誘導することではない」と強調している。

競合との比較——cbBTCとWBTCの牙城に挑む

cirBTCが参入するラップドビットコイン市場は、コインベースが提供する「cbBTC」と、DeFiで先行するBitGoの「WBTC」が支配している。cbBTCはBaseやイーサリアム、ソラナ、アービトラムで利用可能で、すでに数十億ドル規模の供給量を持ち、ビットコイン担保の貸付をBase上で展開している。一方、WBTCは最も長い歴史を持つラップトークンだが、2024年のカストディアン移行に伴うガバナンス上の懸念が指摘されている。

サークルは、cbBTCやWBTCとの差別化要因として、以下の点を強調している:

  • オンチェーンでのリアルタイム準備金検証: サークルは、準備金がオンチェーンで独立して検証可能であると説明しており、これはcbBTCやWBTCが提供する定期的な証明書方式よりも透明性が高いとされる。
  • 規制準拠の明確さ: サークルはFinCENに登録されたマネーサービス事業者であり、バミューダのClass Fライセンスを保有する規制対象企業として運営されている。
  • USDCエコシステムとの統合: cirBTCはCircle Mintを通じて発行・償還が可能で、USDCと同じ運用パイプラインを利用できるため、機関投資家にとって運用負荷が低い。

信頼の課題と今後の展望

cirBTCが直面する最大の課題は、ラップトークンに内在する信頼の問題である。ビットコイン自体はイーサリアムのコントラクト上をネイティブに移動できないため、いかなるラップトークンも別の場所で保管されたビットコインへの請求権を信頼するよう利用者に求めることになる。

サークルはこの課題に対して、ChainlinkのProof-of-Reserveを活用したオンチェーン検証と、規制当局の監督下での運用という二重の信頼構築策で臨んでいる。しかし、トークンが完全に裏付けられていても好まれる担保になれるとは限らない。流動性やリスクパラメータ、償還への信頼、オラクル対応などが整って初めて、cirBTCは単なる製品発表からインフラへと進化することになる。

サークルは、約1.7兆ドルに上るとされる未活用のビットコインをDeFiに取り込むことを目指しており、cbBTCの数十億ドル規模の流通網に挑むことになる。同社は、USDCで培った規制対応と透明性の実績を武器に、機関投資家向けラップドビットコイン市場でのシェア獲得を狙っている。

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