最大手資産運用会社のブラックロックは、2025年7~9月期に自社のビットコイン現物ETF「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」の保有量を増やしていたことが、米証券取引委員会(SEC)への提出書類で明らかになりました。
保有状況の詳細
- 保有株数: 9月30日時点で2,397,423株(約243億円相当)
- 増加率: 6月末から14%の増加
このファンドは、資本の保全を重視しつつトータルリターンを追求することを目的としており、主に債券を中心としたポートフォリオを構成しています。6月末から9月末までの間には、一時ビットコインの価格が12万ドルを超える局面もありましたが、その後は下落し、現在は9万1,000ドルとなっています。
機関投資家の視点
ブラックロックのデジタル資産部門責任者であるロビー・ミッチニック氏は、機関投資家がビットコインに投資する主な理由として「デジタルゴールド」としての価値を挙げています。ビットコインは価格変動が大きいものの、デジタルネイティブであり、保管や送金が容易なため、法定通貨の下落に対抗する有力な選択肢として注目されています。
ビットコインETFへの流入状況
最近のデータによると、米国のビットコイン現物ETFは、24日までの1週間は流出超過が続いていましたが、25日から28日には純流入が見られました。この流入の背景には、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ期待があり、リスク資産への需要が高まっています。
JPモルガンは、12月と1月にそれぞれ0.25%の利下げを予想しており、これが市場に与える影響が注目されています。また、生産者物価指数(PPI)の安定した上昇率も、ビットコインへの関心を再燃させる要因となっています。
このように、ブラックロックのIBIT保有量の増加は、機関投資家のビットコインへの関心の高まりを反映しており、今後の市場動向にも大きな影響を与える可能性があります。

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