兵庫県の斎藤元彦知事をめぐる告発文書問題で、県議会の百条委員会委員を務め、今年1月に死亡した竹内英明元県議(当時50歳)に関して虚偽の情報を発信したとして、県警は9日、名誉毀損の疑いで政治団体「NHKから国民を守る党」党首・立花孝志容疑者(58)=東京都港区六本木=を逮捕した。立花容疑者は認否を明らかにしていない。
県警によると、亡くなった人物を対象とした名誉毀損での立件は極めて異例。逃亡や証拠隠滅の恐れがあると判断し、逮捕に踏み切ったという。
立花容疑者は昨年12月、大阪府泉大津市長選に立候補していた際の街頭演説で、「警察の取り調べを受けているのは多分間違いない」などと発言。今年1月にはSNSや埼玉県川越市議補欠選挙での応援演説で「明日逮捕される予定だった」などと発信し、竹内氏の名誉を傷つけた疑いが持たれている。
竹内氏は、斎藤知事が不信任決議後の知事選で再選された翌日の昨年11月18日、「一身上の都合」を理由に県議を辞職。その約2カ月後の1月18日に亡くなった。
村井紀之・兵庫県警本部長(当時)は1月の県議会委員会で、立花容疑者の発言内容を否定しており、竹内氏の妻が6月に名誉毀損で告訴状を提出、受理されていた。
立花容疑者は告訴後の記者会見で「これで白黒はっきり付く。警察に呼ばれればしっかり対応する」と話していたが、県警は今回、虚偽発言による社会的影響の大きさを重く見たとみられる。

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