アフガニスタンのタリバン政権は、全土でインターネットを遮断する措置を講じ、4300万人以上の国民が世界とのコミュニケーションを断たれました。この「道徳的措置」は、タリバンの最高指導者ハイバトゥラー・アクンザダの命令に基づいており、特に「不道徳な行為」を防ぐことを目的としていますが、その具体的な内容は明らかにされていません。
インターネット監視団体のネットブロックスによると、29日午前に複数のネットワークが接続できなくなり、電話サービスにも影響が及んでいます。この大規模な通信遮断は、タリバンが2021年に再び実権を握って以来、最も徹底したものとされています。
この措置は、アフガニスタンの報道機関にも深刻な影響を及ぼしており、首都カブールの放送局トロニュースは、運営に大きな支障が出ていると報告しています。また、国外に住むアフガニスタン人や活動団体からも懸念の声が上がっており、デンマーク在住のアフガニスタン人ジャーナリスト、ワヒダ・ファイジさんは家族との連絡が取れなくなったことに不安を募らせています。
さらに、タリバンは女子教育にも影響を及ぼしており、小学6年生以降の女子が学校に通うことを禁止しています。このため、国外の教育団体が提供するオンライン授業が唯一の教育の機会となっていましたが、インターネットの遮断により、その機会も奪われる恐れがあります。
アフガン女性支援団体「WAW」のサビナ・チャードリー氏は、このインターネット遮断が「何百万人ものアフガン人を黙らせるだけでなく、外の世界とつながるライフラインを壊滅させる」と警鐘を鳴らしています。

![]() |