日米の主要株価指数が過去最高値を更新する中、サンリオ(8136)の株価が急上昇し、特に注目を集めています。米国の利下げ期待や関税交渉の進展が企業業績への見通しを明るくし、これがサンリオの株価上昇を後押ししています。8月13日には、プライム市場での売買代金が4605億円に達し、連日トップの座を占めました。
業績の好調とV字回復
サンリオの株価上昇の大きな要因は、8月8日に発表された2026年3月期の業績予想の上方修正です。第1四半期の連結営業利益は前年同期比88.0%増の201億円に達し、四半期として過去最高を記録しました。さらに、上期の営業利益予想を275億円から350億円、通期の営業利益を600億円から673億円にそれぞれ引き上げました。このV字回復の背景には、社長交代による戦略転換やサンリオピューロランドの改革が挙げられます。
2020年に創業60年で初めての社長交代を行い、辻朋邦氏が社長に就任しました。彼は2023年に「価値創造ストーリー」を発表し、時価総額1兆円、営業利益500億円という目標を掲げましたが、これを大幅に前倒しで達成しました。
中国市場での成長
サンリオの成長を支えるもう一つの要因は、中国市場での拡大です。第1四半期の営業利益201億円のうち、80億円が中国市場からのもので、全体の40%を占めています。2022年には、アリババ系のアリフィッシュとマスターライセンス契約を締結し、ハローキティやマイメロディなど26のキャラクターを対象にした展開を進めています。
日本国内でも、物販事業とライセンス事業が大幅に増収増益を記録しています。特に、SNS発の人気キャラクター「ちいかわ」とのコラボ商品が好調で、国内客の増加やインバウンド需要が寄与しています。また、「ハローキティ」が公式キャラクターを務める「2025 大阪・関西万博」とのコラボレーションも大きな反響を呼びました。
まとめ
サンリオの株価急上昇は、業績の好調や中国市場での成長、戦略的な経営改革によるものです。今後も、人気IPの海外展開や国内での新たなコラボレーションが期待され、さらなる成長が見込まれます。日本政府のクールジャパン戦略も後押しとなり、サンリオの国際的なプレゼンスはますます強化されるでしょう。

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