最近、ロンドンで日本の新米「あきたこまち」が5キログラム19.99ポンド(約3900円)で販売されるというニュースが話題になっています。これは、円安の影響を受けて日本国内での米価格が高騰する中、ロンドンでの日本米の価格が下がり続けているという逆転現象を示しています。日本国内ではコメの価格が上昇し続けており、農林水産省のデータによると、2025年5月5日から11日の平均店頭価格は4268円で、前年同期比で2倍に達しています。これは、17週連続での値上がりの後にわずかに下落したものの、再び上昇傾向にあることを示しています。
逆転現象の要因
この逆転現象の主な要因は、英国が2024年12月に包括的・先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)に加盟したことにあります。これにより、日本から英国への米の輸出にかかる関税が撤廃され、輸入コストが大幅に削減されました。これにより、日本米がロンドンで手に入れやすくなり、価格が下がる要因となっています。
さらに、日本国内ではコメの生産コストが上昇しており、農業従事者の高齢化や異常気象による収穫量の減少が影響しています。これに対し、ロンドンでは直輸入による中間マージンの削減や、早期にまとまった数量を確保することで仕入れ額を抑えることが可能となっています。
結論
ロンドンでの日本米の価格が安くなっている一方で、日本国内では高騰が続くという皮肉な状況が生じています。海外にいる日本人にとっては、日本の米をお手頃価格で手に入れられるのは嬉しいニュースですが、日本国内の消費者が高価格で米を購入しなければならない現実は、早急に解決されるべき課題です。今後、米価が安定し、誰もが手軽においしい日本米を楽しめる環境が整うことを期待しています。

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