年金制度改革法案の修正内容について

与党と立憲民主党が合意した年金制度改革法案の修正内容が、27日午後に発表されました。この合意は、シニア世代からの嘆きや怒りの声を受けてのものであり、特に基礎年金の底上げに関する財源論が先送りされたことが懸念されています。

シニア世代の声

今回の法案修正に対して、シニア世代からは多くの不安や怒りの声が寄せられています。特に、年金の受給額が減少する可能性があることに対して、「みんな積み立てしてきているのに減ってしまうっていうのは、なんのためにって思っちゃう」といった意見が多く聞かれました。また、「今の状態だとお米も高いし、食べていけるのかなと。不安ですよね、不安だらけ」といった生活への不安も表明されています。

政治家の反応

この法案を巡っては、先週の党首討論で立憲民主党の野田代表が「まさに、あんこが入ってないあんパンを出してきた」と批判し、石破首相は「もちろん真剣にやらせていただきます」と応じました。合意後、石破首相は「法案の早期成立に努力してまいりたい」と述べ、引き続き審議を進める意向を示しました。

合意内容のポイント

合意された修正案の最大のポイントは、厚生年金の積立金を活用した基礎年金の底上げ措置です。現行制度では将来の基礎年金の給付額が低下する可能性が指摘されており、これを改善するための措置が講じられます。具体的には、4年後の財政検証で底上げを実施するかどうかを判断することが法案の付則に明記されています。

専門家の見解

年金制度に詳しい専門家は、今回の法案修正について一定の評価をしています。社労士の渋田貴正さんは、「若い世代からしたら将来のことで実感が湧かないとはいえ、得するんだろうなということで、国全体で見るとメリットのある制度改革なのかなという」と述べています。しかし、制度の実施には厚生年金の積立金以外にも税金による財源が必要で、その手当についての課題も指摘されています。