米クラリティー法案が最終局面へ CFTC委員長が早期成立を要請

※本サイトはプロモーションが含まれています
※本サイトはプロモーションが含まれています
Crypto

米国の暗号資産(仮想通貨)市場を大きく左右する「クラリティー法(CLARITY Act)」の成立に向けた動きが、いよいよ最終局面を迎えています。

米商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリグ委員長は、Fox Businessのインタビューで、法案の早期成立を強く求めました。

現在の米国では州ごとに異なる規制が存在しており、暗号資産企業にとって法的な不透明感が大きな課題となっています。セリグ委員長は、「今こそ包括的なルールを整備する絶好の機会だ」と訴え、超党派で協議が進むクラリティー法案の重要性を改めて強調しました。

市場では、7月中の審議進展と8月6日前後の採決が大きな注目材料となっています。

クラリティー法とは何か

クラリティー法は、米国の暗号資産市場に統一されたルールを設けることを目的とした市場構造法案です。

これまで米国では、SEC(証券取引委員会)とCFTC(商品先物取引委員会)の双方が暗号資産を規制してきましたが、どの資産が証券で、どの資産が商品に該当するのかについて明確な基準が存在していませんでした。

その結果、多くの暗号資産企業が訴訟や規制リスクを抱えながら事業を展開する状況が続いてきました。

クラリティー法は、こうした曖昧な状況を解消し、暗号資産市場全体に法的な確実性を与えることを目的としています。

セリグCFTC委員長「規制当局任せにすべきではない」

セリグ委員長はインタビューの中で、議会による立法が実現しなければ、最終的には規制当局が個別にルールを作るしかないと警告しました。

本来、こうした市場全体に影響を与えるルールは議会で決定されるべきものであり、行政機関だけで判断することは望ましくないとの考えを示しています。

また現在は州ごとに規制内容が異なるため、全米で事業を展開する暗号資産企業にとって大きな負担となっているとも指摘しました。

企業側からも長年、「統一ルールを整備してほしい」という声が上がっており、今回の法案はその要望に応える内容となっています。

最大の争点は倫理規定

法案成立が目前まで迫る一方で、依然として最大の障壁となっているのが倫理規定です。

民主党は、トランプ大統領一家が関わる暗号資産事業について、利益相反を防ぐための倫理条項を法案へ盛り込むよう求めています。

これに対し共和党側は、市場構造法案とは直接関係のない議論まで加えるべきではないと反発しています。

セリグ委員長も、このように本来の目的から論点が広がる状況を「ミッション・クリープ」と表現し、超党派で成立できる可能性を損なっていると懸念を示しました。

市場では、最終的に倫理規定がどのような形で決着するかが最大の焦点となっています。

数千時間に及ぶ交渉

上院銀行委員会デジタル資産小委員会を率いるシンシア・ルミス議員によると、クラリティー法案は2025年9月以降、数千時間にも及ぶ交渉が続けられてきました。

特に議論となったのは、

  • ステーブルコイン規制
  • DeFi(分散型金融)
  • マネーロンダリング対策
  • 倫理規定
  • 開発者保護

など多岐にわたります。

銀行業界からの要望も反映され、修正を重ねた結果、現在は法案本文が公開され、議員による最終確認の段階に入っています。

ルミス議員は、7月中にも審議が前進するとの見通しを示しています。

注目される「Section 604(BRCA)」

今回の法案で暗号資産業界が特に注目しているのが、第604条として盛り込まれた「ブロックチェーン規制確実性法(BRCA)」です。

この条項では、利用者の資産を預からない開発者やバリデーター、ノード運営者などについて、「送金業者」に該当しないことを明確化します。

これまで米国では、ソフトウェアを開発するだけでも金融規制の対象になる可能性が指摘されていました。

もしBRCAが成立すれば、ブロックチェーン開発者は不要な規制リスクを避けながら技術開発を進められるようになります。

暗号資産業界では、この条項が米国におけるWeb3開発を大きく後押しすると期待されています。

一方で法執行機関からは懸念も

BRCAには反対意見もあります。

全国保安官協会や全国地方検事協会、国際警察長官協会など複数の法執行機関は、この条項によってマネーロンダリングや制裁逃れの資金追跡が困難になる可能性があると懸念しています。

一方で、全国黒人法執行幹部協会(NOBLE)は法案全体への支持を正式に表明しました。

さらに、大規模郡の保安官団体であるMCSAも反対姿勢から中立へ立場を変更しており、法執行機関の間でも意見が分かれています。

トランプ政権も全面支持

トランプ政権は暗号資産を成長産業と位置付けており、市場構造法案への支持を繰り返しています。

トランプ大統領は自身のSNS「Truth Social」で、「反暗号資産派によって覆されることのない恒久的な市場構造を法制化する」と投稿し、成立への強い意欲を示しました。

また、SECのポール・アトキンズ委員長やCFTCのセリグ委員長も相次いで支持を表明しており、政権全体として法案成立を後押しする姿勢が鮮明になっています。

今後のスケジュール

現在は上院本会議での採決に向けた最終調整が続いています。

市場関係者が注目している日程は次のとおりです。

  • 7月中:上院での審議が本格化
  • 8月6日前後:採決に向けた重要局面
  • 倫理規定やDeFi規制の最終調整
  • Section604(BRCA)の維持可否

採決で可決されれば、米国の暗号資産市場はこれまでで最も包括的な規制枠組みを手にすることになります。

まとめ

クラリティー法案は、米国の暗号資産市場に法的な明確性をもたらす歴史的な法案として注目されています。

SECとCFTCの役割分担を明確にし、企業が安心して事業を展開できる環境を整えることが最大の目的です。一方で、倫理規定やDeFi規制、BRCA(Section604)を巡る議論はなお続いており、超党派による最終調整が法案成立の鍵を握っています。

7月中の審議進展、そして8月6日前後の採決は、ビットコインやイーサリアムをはじめとする暗号資産市場全体に大きな影響を与える可能性があります。投資家にとっては、価格動向だけでなく、米国の規制整備の進展にも引き続き注目しておきたい局面です。

PR
moomoo証券