シャープは2028年を目標に、防衛向けの衛星通信端末を開発する。この端末は、飛行高度の異なる複数の衛星(マルチオービット)に対応し、通信を途切れにくくすることを特徴とする。
開発の背景と目的
ロシアによるウクライナ侵攻において、スペースXの衛星通信「スターリンク」が代替通信手段として活用され、その重要性への注目が高まっている。有事や災害で地上インフラが影響を受けた際にも、衛星通信によって通信を確保できると見込まれている。
防衛省案件の共同受注
シャープは、日本無線(JRC)およびスカパーJSATと共同で、防衛省の案件を受注している。この枠組みでは、シャープはLEO(低軌道)、MEO(中軌道)、GEO(静止軌道)の各軌道上の衛星通信網に対応するマルチオービット対応の衛星通信ユーザー端末の開発を主に担う。
日本無線が2026年2月4日に選定された防衛省の公告「マルチオービットに対応した通信システムの抗たん化技術開発・実証」に基づき、3社で連携して推進している。このプロジェクトは2028年3月31日までの期間で進められている。
シャープの衛星通信技術の展開
シャープは2023年からLEO衛星通信ユーザー端末の開発に着手しており、スマートフォン開発で培った小型化・通信技術を応用している。2025年7月には、三菱ケミカル、NICT、TECHLABと共同で、モビリティ向けの超小型軽量LEO衛星通信ユーザー端末の開発にも合意している。
さらに、シャープは船舶向けに加え、自動車、建機、農機、ドローン、そして防衛関連まで事業領域を拡大する計画である。同社は独自のビーム制御技術により、高速で周回する非静止衛星を正確に追跡し、船舶のような不安定な環境でも最適な通信状態を維持する技術を有している。
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